しまんちゅシネマ

映画ノート

目撃


1997年(米) 監督:クリント・イーストウッド 原作:デヴィッド・バルダッシ 出演:クリント・イーストウッドジーン・ハックマンエド・ハリスローラ・リニー スコット・グレン /デニス・ヘイスバート 【ストーリー】バージニアの高級住宅地にある、大統領の後援者サリバンの邸宅。プロの大泥棒ルーサー(c・イーストウッド)は、サリバン夫人の寝室にある金庫を狙って忍び込む。そこへ旅行中のはずの、サリバン夫人が大統領リッチモンドジーン・ハックマン)を連れて帰宅。二人は口論となり、夫人が大統領に怪我を負わせ、シークレット・サービスが夫人を射殺してしまう。駆けつけた大統領補佐官は、シークレット・サービスに事件のもみ消しを命じた。鏡の裏の部屋からすべてを目撃したルーサーは・・・。
■感想
クリント・イーストウッド監督、主演。
合衆国大統領の殺人現場を目撃した盗みのプロの孤独な闘いを描いたサスペンスです。

後援者のサリバンを裏切り、若妻との情事にふける大統領を演じるのはジーン・ハックマン
こういうエロ暴力親父って彼にしては珍しい役柄ですが、見事にはまってました。
エロ+暴力+隠蔽+裏切り+嘘涙に怒りを覚えたルーサー。
悪事を許しちゃおけん!とばかりに立ち向かう構え。

冒頭の目撃シーンのドキドキの緊張感を初め、
大統領側に対するルーサーの挑発、シークレットサービスとの攻防も見応えのあるもの。

物語全編を貫くのは父娘の愛です。
盗みを繰り返す父に愛想を尽かす娘ケイト(ローラ・リニー)ですが、
やはり娘は父の身を案じ、父もまた娘を心配する。
二人の心のひだと交流を丁寧に描いているあたりはイーストウッドらしいところでしょうか。
心地よい暖かさを作品に与えています。

殺人者は最初から分かっているので、謎解きを楽しむサスペンスではありません。
しかしながら、ルーサーがどう出るのか、観ていてワクワクするものがありました。
ただし、ラストは彼の信念に反するもののような気がして・・・ちょっと不満。

共演のエド・ハリス。頭のはげた、もとい、頭の切れる刑事役。
大泥棒ルーサーに対してもリペクトの姿勢で誠実な役柄が好印象。
シークレットサービス「24」の大統領,スコット・グレンなど共演者もなかなかです。

イーストウッドの実の娘さんもクレジットに名前がありましたが、どの人かなー。



★★★★☆