しまんちゅシネマ

映画ノート

ミリオンダラー・ベイビー


2004年(米) 監督:クリント・イーストウッド   脚本:ポール・ハギス  出演:クリント・イーストウッドヒラリー・スワンクモーガン・フリーマンアンソニー・マッキージェイ・バルチェル【ストーリー】ロスで小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキーのもとに、31歳になる女性マギーが弟子入りを志願しに来る。不遇の人生を送ってきた彼女は、唯一誇れるボクシングの才能に最後の望みを託したのだった。しかしフランキーは、“女性ボクサーは取らない”のひと言ですげなく追い返してしまう。それでも諦めずジムに通い、ひとり黙々と練習を続けるマギー。ジムで雑用係として働くスクラップはそんなマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。やがてマギーの執念が勝ち、フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが…
■感想
「プチオスカー祭り」第4弾!
今日は第77回に作品賞を獲得したこの作品です。

最初に鑑賞したときにはあまりにも辛い展開に思考が止まってしまい、作品として評価出来ないでいました。観直してみて、ようやく感想を書きたい気持ちになったので、今更ながらのレビューです。

この作品、公開されてすでに2年ということで、多くの方はご覧になってることでしょう。

今日はあえてネタバレです。なので、未見の方はスルーでお願いします。


最初、どうしても受け入れられなかったのが、言うまでもなく【尊厳死】の問題でした。
受け入れられなかったというよりも、先にこの作品を観た友人から「あまりにも辛い結末で最悪」と
聞いていて、先入観をもって観てしまった気がします。

今回、再度観直してみて、しみじみ感動してしまいました。(あらら)

クリント・イーストウッドのフランキーとヒラリー・スワンクのマギー。
家族にめぐまれず、孤独なもの同士。
師弟愛を超え、絆を深めていく様子は、失ってきたものをたぐり寄せるようでもありました。
二人にとってお互いが全てになっていたんでしょう。

後半訪れる哀しい展開。彼らの決断に拍手は送れません。
同じように苦しみながら頑張って生きている人たちもたくさんいるはずだから。

でも、年老いたフランキーに迷惑をかけてしまうと思ったら。。。あの家族だし。。
同じように考えるかもしれません。

ボクサーに憧れ、リングに立ち、観客の喝采を浴びたマギーにもう思い残すことは無かった。
それでもう十分に幸せだったと思えたんですね。
死を希望するマギーを前にしたフランキーの葛藤する様子はみてて本当に辛かった。


最後に「モ・クシュラ」の意味を聞いて、幸せそうな微笑みを浮かべるマギーに号泣でした。

主演女優賞のヒラリー・スワンク助演男優賞モーガン・フリーマン。それぞれ上手かったですね。
静かな音楽もいつまでも耳に残ります。やっぱり良い映画だったぁ。


★★★★*