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映画ノート

スラムドッグ$ミリオネア


年(イギリス/アメリカ)監督:ダニー・ボイル原作:ヴィカス・スワラップ『ぼくと1ルピーの神様』出演:デヴ・パテル/マドゥール・ミタル/フリーダ・ピントアニル・カプールイルファン・カーン【ストーリー】インドのスラム街で育った孤児のジャミールは、「クイズ$ミリオネア」で、あと一問で全問正解という状況にいた。だが、無学の少年にそんな知識があるはずがないと疑われ、賞金の支払いを渋るTV番組会社の差し金で警察に連行され、尋問を受けることに‥。
■感想
オスカー前哨戦で好スタートを切った、ダニー・ボイル監督の『スラムドッグ$ミリオネア
わたし的には、間違いなく今年一番です!!


インドでも「クイズ$ミリオネア」はまったく同じスタイルで放送されてるんですね。
司会者はみのさんじゃないですよ。
←こんなジョージ・ルーカス似のおっさん(笑)

主人公のジャミール(デヴ・パテル)は、クイズに正解を重ね、残り一問のところで放送時間が終わると、警察に連行されてしまいます。貧民街で育ったジャミールが、そんな知識を持ち合わせているはずがなく、不正を働いているとの疑いからです。

警察で厳しい拷問を受けても不正はしていないと言い張るジャミール。ではなぜ彼はクイズに正解することができたのか。
クイズの質問を振り返るとき、ジャミールの少年時代からの想い出が語られ、スラム街で生き抜いて来た日々が鮮やかに甦るのでした。

幼い頃ギャングに母親も殺され、兄と二人少年時代をスラム街で過ごしたジャミール。
インドのスラム街の生活って、こんなに悲惨なのかと、まずはびっくりするんだけど、ここでは子供たちが実にたくましく生きているのですよ。

ジャミールと兄の子供時代を演じる子役もまた可愛くてね~。
なんとも悲惨な想い出のはずなんだけど、決して暗い描き方でなく、むしろユーモラスで微笑ましい。
でもギャングや臓器売買の実態など、貧しいインドに巣食う問題も明らかになります。
生き延びる過程で、ギャングに身を寄せてしまうものも多いことでしょう。仲のよかったジャミールと兄がいつしか対照的な生き方をしてしまうのも辛いところでした。

イギリス人監督によるものだからか、少年同士の会話を除き、語られる言語が英語なのはちょっと違和感あるんですが、仕方ないところかな。

さて、ジャミールはなぜ質問に正解できたのか。そして最後の一問をクリアし賞金を手にすることが出来るのか。
ジャミールが番組に出演しようとした、本当の目的はなんだったのか。。

これはジャミールの運命の恋のお話しでもあり、これがほろ苦いレモンのように作品に瑞々しさを与えてましたね。



最後に、これまでの映画のテイストとはまた違ったエンドロールが流れるんですが、これで席を立つ人はまずいないと思えるものでしたよ~。

それまで、うん、いい映画だった★4.5! と思っていたんだけど、このエンドロールで満点になりましたもんw
楽しいエンドロールなんだけど、涙が溢れてしょうがなかったです。
余韻が残りましたね~。成長を続けるインド同様に力のある映画です。最高!! 

ダニー・ボイル、グッジョブ! オスカー獲って欲しいと思います。






★★★★★