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映画ノート

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ


1984年(米)監督:セルジオ・レオーネ出演:ロバート・デ・ニーロジェームズ・ウッズエリザベス・マクガヴァンジェニファー・コネリー   ダーラン・フリューゲル/トリート・ウィリアムズ/チューズデイ・ウェルド/バート・ヤングジョー・ペシ   ジェームズ・ヘイデン/ウィリアム・フォーサイスダニー・アイエロ【ストーリー】20年代初頭のニューヨークに住む少年ヌードルス(スコット・タイラー)は仲間を率いて貧困街で悪事の数々を働いていた。ある日その町に越して来たマックス(ラスティ・ジェイコブス)と運命的な出会いをした二人は禁酒法の隙間をぬって荒稼ぎを続け、大人になった頃にはギャング集団として伸し上がっていた。しかし新たな仕事の計画を立てたマックス(ウッズ)の無謀な考えに反発したヌードルス(デ・ニーロ)は彼を裏切り、警察にその情報を流したためマックスは殺され、ヌードルスは町を追われるのだった。しかし30年後になった今、年老いたヌードルスの元に不審な手紙が舞い込んで来るのだった……。

男の友情シリーズ第2弾!

■感想
マカロニ・ウェスタンの巨匠セルジオ・レオーネの遺作となる本作は、20年代のニューヨークを舞台に、
ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶ友情・愛・裏切を描いた作品です。

男の友情シリーズと銘打って、いきなりちょっと違いませんか?と言われそうですが(笑)友情にも色んな形があって、
多くのバディもののように、心地よいものばかりでもないということを感じるところ。

禁酒法って、映画の世界でもたびたび登場するところですが、そもそも犯罪を減らすことを目的に施行された法律。
ところが逆に酒の闇売買をめぐりカゴのアル・カポネに代表されるようなマフィア組織を生み、犯罪を増加させ、治安はますます悪化した、なんともお粗末な法律だったのですよね。

この映画で、禁酒法を利用し、大金を得ることに成功したのは、なんと少年たち。
貧困街で悪事を働くユダヤ系移民のヌードルススコット・タイラー)とその仲間に、マックスが加わり、
奇抜なアイディアで荒稼ぎし、やがてギャングにまでのしあがります。
ところが13年以上も続いた禁酒法も終わりを告げる頃、ギャングたちも新たな生き方を問われることに。

大人になったヌードルスを演じるのがロバート・デ・ニーロ、マックスにジェームズ・ウッズです。

映画は初老のデニーロが、彼の元に届いたある手紙の真相を解こうと、古い仲間を訪ねるシーンを中心に
彼の回想の中、仲間とすごした日々の記憶が甦ります。
時代が交錯しますが、デニーロの老け加減で、それほど混乱することなく観ることが出来ました。

映画はデニーロの微笑みで終ります。

麻薬を吸い、朦朧とした意識の中、思いだすのは今は昔‥仲間と過ごした懐かしい日々。
記憶の中、彼は怖いものなどなにもない、遊びの延長のようにただ楽しかったあの日に戻っていたのでしょう。

ウッズもデニーロも仲間を裏切ることの辛さを共有する者どうし。
それだけに最後のデニーロの微笑みが物悲しい。
エンリオ・モリコーネの音楽がさらにノスタルジックな切なさを盛り上げ、これはたまりません。

時間が長くて、観るのに3日かかってしまいましたがw 壮大な叙事詩に仕上った映画らしい映画。
ガッツリと観応えがありました。

デニーロの哀愁漂う演技も良かったですが、若きヌードルスを演じたスコット・タイラーもいいですよね。
全然知らない人だと思ったら、今では演技学校で教える仕事をしてるようです。
彼が生涯愛しつづける女性の少女時代を演じたジェニファー・コネリーが可愛かった~。


★★★★*