しまんちゅシネマ

映画ノート

愛・アマチュア


1994年(アメリカ・フランス・イギリス)監督: ハル・ハートリー 出演: イザベル・ユペール/マーティン・ドノヴァン /エリナ・レーヴェンソン / ダミアン・ヤング     チャック・モンゴメリー / デヴィッド・シモンズ / パメラ・スチュワート 【ストーリー】イザベルはつい最近まで尼僧だったが、今は修道院を出て、ポルノ小説を書く毎日。ある日、仕事場代わりのカフェで記憶喪失の男と出会い、いつしか愛するようになる。男の過去を捜し求めるうちに、次第に事件に巻き込まれ……。

バレンタイン・ロマンス特集 第一弾!

■感想
シンプルメン』のハル・ハートリー監督によるスリラー・ロマンス。。
監督の『トラスト・ミー』を観て感動したイザベル・ユペールが、監督に手紙を出して出演を希望し、
実現した作品らしいです。


イザベル・ユペールが演じるイザベルは元尼僧でポルノ作家という凄い設定w
イザベルは記憶をなくした男とカフェで知り合い、家に連れ帰ります。
ともに男の過去を模索するうち、次第に彼に惹かれていくのですが、
その男(名前はトーマス)は実は大変な悪人で、暴力で支配してきたポルノクィーンの妻ソフィアに殺されかけ、記憶を失い倒れていたことが分かってきます。

ソフィアは新しい人生をはじめるため、トーマスのボスの金をゆすろうとし、
ヒットマンから命を狙われることになり、イザベルとトーマスも事件に巻き込まれていきます。
それぞれの運命は。。

サスペンスの様相を呈しながら、クライムシーンがなんだかオフビートで
独特の可笑しみとペーソスのある作品でした。

ポスターのユペールが耳に当ててるのは携帯ではなく、これ電動ドライバー(笑)
これで敵と戦おうとするのだから、そのヘンテコぶりは想像がつくかなw

過去の自分と決別したい。
オフビートな中に、そんな人間の切羽詰った思いがあって、切なさと愛おしさを感じます。

根底にあるものがとても純粋でカッコいい。
それはユペール自身の存在感にも通じるところ。

色情狂だけど実はバージンというイザベルをトーマスが優しく愛撫するシーンが好き。
といってもHなシーンはありませんのであしからず。


組織の会計士エドワードも凄い存在感。
ヒットマンに拷問され(このシーンも爆笑ですがw)、何かが外れたのでしょうか
ひたすらソフィアを守ろうとするところが妙にツボでしたw

ゆるい笑いがありつつも、どこかノワールで・・・
終わった後に切ないながら優しい余韻が残って、何気にすごい好きな作品でした。



★★★★☆