しまんちゅシネマ

映画ノート

ジェニイの肖像


1947年(米)
監督:ウィリアム・ディターレ
出演:ジョセフ・コットン/ジェニファー・ジョーンズ/リリアン・ギッシュ/エセル・バリモア/セシル・ケラウェイ 
 

■感想
映画で妄想 世界の旅!3本目

アメリカに在住していながら、まだニューヨークに行ったことがないんだなぁ。
ヴァージニアまで行ったら、やっぱりニューヨークには足を伸ばさなくっちゃね。
まずはセントラルパークでジェニーに会いたい。。
 

アダムス(ジョセフ・コットン)は売れない画家。
ある日夕なずむセントラルパークで少女が一人でいるのを不思議に思い声をかける。
「両親は劇場で仕事をしているの」。ジェニーと名乗るその少女は明るい笑みを向けた。
「はて。その劇場は数年前になくなったはずだが?」

2度目に出会うと、不思議なことにジェニーは少し成長していた。
実際ジェニーは会うたびに成長していた。
いつのまにか美しい娘となったジェニーにアダムスは絵のモデルになってほしいと依頼。
二人はいつしか深く愛し合っていた。
ところが絵が完成したその日、ジェニーはアダムスの前から姿を消した。
 
夏が終わっても戻らないジェニーを案じ、ジェニーが通っていた学校を訪れたアダムス。
そこで彼が聞いたのは「ジェニーは10年も前に津波で死んだ」という驚きの言葉だった。
 
 
ジェニーは言わば彷徨える魂。
それでもこれはホラーでもSFでもない。正真正銘のラブストーリーなんですね。
時を越えて愛し合うという点で『ある日どこかで』を思わせるし、
恋をすることもなく死んでしまったジェニーがアダムスに自分と同じ寂しさを見出し
愛を知り、死を受容する。それは『ラブリー・ボーン』にも通じるところです。
 
売れない画家アダムスを演じたのは『第三の男』の二枚目ジョセフ・コットン
ジェニーを演じたジェニファー・ジョーンズは、最初の少女の姿には正直違和感があったものの
成長した姿はとっても綺麗。
絵になる二人の切ないロマンス、後半は切なくて泣けました~。

モノクロ映画でありながら、最後に登場するジェニーの肖像テクニカラーで描かれ
生き生きと美しいジェニーを浮かび上がらせます。
これは『ドリアン・グレイの肖像』と同じアイディアですね。
 
セントラルパークから見えるマンハッタンの摩天楼も楽しめますよ。