しまんちゅシネマ

映画ノート

キラーハンド

 
1981年(米)
監督:オリヴァー・ストーン
出演:マイケル・ケイン/アンドレア・マルコヴィッチ/マラ・ホーベル/アニー・マッケンロー/ヴィヴェカ・リンドフォース
 
眺めのいい男特集 3本目  マイケル・ケイン『キラーハンド』
■感想
昔は眺めが良かったよね。ってことで、ちょっと渋めの元色男たちもいっときますね。
まずマイケル・ケイン 
この映画では40代後半、すでにおっさん入ってるけど
かつてはジュード似の色男だったのよね。
 
本作はなんとオリヴァー・ストーンのデビュー作
事故で失った右手が勝手に動き回り、主(あるじ)の憎悪を形に変えていくといった
サイコホラーなのです。
 
マイケル・ケインが演じるのは人気コミック作家のジョン
彼は夫婦喧嘩のさなか、交通事故で右手を手首から失います
 
思うように仕事も出来ない、妻との関係はうまくいかない
次第にストレスをためていくジョン
そんなジョンを物陰でみつめるある視線
それはなんと、事故現場をいくら探してもみつからなかった 失った右手だった!!
 
『キラーハンド』というタイトルから察しがつくところだけど
この手が ジョンに代わって気に入らない連中を血祭りにあげていくわけですな
 
 
キャプテン・スーパーマーケット』を思わせるシーンもあったり
絵的には十分ホラーなんだけど、これは犯罪心理をついた面白い作品でした。
 
そもそもシリアル・キラーと呼ばれる人は、見た目には虫も殺しそうにない人も多いはず
だけどもいったんスイッチが入ると、信じられないほど邪悪な手段で犯罪に及ぶ
中には、自分の中のもう一人の自分がやったという人もいるし
カメラのファインダーを通して、女児暴行を繰り返すやからもいる
 
彼らは 自分以外の何者かを作り上げることによって
罪の意識から開放されているのかもしれません
 
この映画でもジョンの知らないところで、勝手に手が動き、浮浪者を殺すのが始まり。
でも、次第にジョンは手の存在を認識し その行動を意識するようになるんですね
やがては、その手をリモートコントロールするかのように犯罪シーンを頭に思い浮かべるようになり
狂気に落ちていくさまが実に恐ろしい
 
殺しのドレス』の翌年製作の本作
ここでもやっぱり変態さん振りはさすがでございます
って、男前特集だったっけ? まぁいいや
 
ラストの予定調和などんでん返しには拍手でした♪