しまんちゅシネマ

映画ノート

めまい

 

1958年(米)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワートキム・ノヴァクバーバラ・ベル・ゲデス/トム・ヘルモア
■感想
サスペンス映画の神様と称されるヒッチコックの作品の中でも、特に人気の高い本作
ヒッチさんに叱られそうですが、こんなに有名なのに未見でした
ようやく観ました!ということで、スペシャル入りです
 
ある事件をきっかけに極度の高所恐怖症となったジョン(ジェームズ・スチュワート)は
刑事の仕事もやめてしまう。
そんな彼にかつての同級生が、不審な行動をとる妻の尾行を依頼してくる・・


尾行してみると、友人の妻マデリーン(キム・ノバック)は、祖母にまつわる地を訪れ、一日を過ごすのだが
友人によると、祖母はあることから自殺した経緯があり
そのため孫であるマデリーンには祖母のことは知らされていないという
 
ある日川に身を投げたマデリーンを助けたジョンは
マデリーンが無意識下に、死を選ぼうとしてること知った。
このときジョンはすでにマデリーンを深く愛している自分に気づき
なんとか、マデリーンを救いたいと思うのだが・・・
 
ミステリアスでロマンティック、そして悲しい映画でしたね。
 
前半は、祖母のことなど知るはずもないマデリーンの行動に
オカルトティックな展開を予想し、先が気になります
キム・ノバックの美しさもあり、二人のロマンスにもちょっとうっとり
 
ところが後半、雰囲気は一転
あまりにマデリーンを愛してしまった男ジョンが、取り付かれたように
マデリーンの姿を追い求める姿が哀れでもありました。
終盤の展開も、可愛さあまって憎さ百倍というところか。
高所恐怖症」をうまく使い、重なる自責の念に、常軌を逸していく男の
愛憎劇を描きあげる巧みさに、思わずほーーっとため息。
ミステリーとしても、ロマンスとしても面白い仕上がりです。
 
アニメチックな映像が挿入されるのは、さすがに時代を感じるところだけど
高みからのショット、美しい風景、青いライトを駆使した悪夢のような見せ方など
映像表現も面白く、当時としては斬新な部分も多かったでしょうね。

ところで、今回観たのは、大好きなシングルマンに、この映画と同じスコアが使われてると知ったから。
アレンジが違うので、雰囲気は違うけど、二つ比べてみるのも面白いですね。
 
色んな映画に影響を与える作品とのこと。
オマージュ的に使われることも多いらしいので、これからミステリーを見るときにぜひ
この映画の面影を探してみたいです。