しまんちゅシネマ

映画ノート

ヒアアフター

 
 
2010年(米)
監督:クリント・イーストウッド
出演:マット・デイモンセシル・ドゥ・フランス/フランキー・マクラレン/ジョージ・マクラレン/ジェイ・モーアブライス・ダラス・ハワード
■感想
クリント・イーストウッドの新作観てきました。
ヒアアフター』というのは来世、あの世という意味があるんですって。
これはそれぞれの方法で「死後の世界に」に対峙する3人の姿を描く
スピリチュアルなドラマです。
 
 
 

マット・デイモンが演じるのはブルーカラーの労働者、ジョージ
彼は人の手に触れることによって、死後の世界に通じることができる特殊能力を持ち
いわゆる「イタコ」のような仕事をしたこともあったが、そのことに意味を見出せず
能力を重荷に思い、将来への不安を抱えています
 
フランス人ジャーナリストのマリエ(セシル・ドゥ・フランス)は臨死体験をしたことから
死後の世界の存在を模索することに。
ロンドンの小学生マーカス(フランキー・マクラレ)は、最も身近な存在を亡くした喪失感にさいなまれ
生き方を見失ってしまいます。
 
アメリカ、ロンドン、フランスを舞台にそれぞれの物語が平行して進み、
終盤に3人がロンドンで出会うことで繋がっていくというつくりです。
 
一番印象的だったのは少年のエピソードで
死の悲しみを乗り越える過程には涙
結局死者が教えてくれるのは、強く生きろということ
それが死者を慰めることにもなるのでしょう
 
こんな映画を撮ろうと思ったのは、イーストウッドが80歳というお年だからかな
なんてふと思いました。

スピリチュアルなエピソードで構成され、死後の世界について考えさえせられるのだけど
この映画は死後の世界の存在を証明しようとするものではなく
今を生きる意味を見出し、成長する3人の姿を描くものなんですね。
 
ただ、映画としてはちょっと地味だったなぁ。
冒頭でいきなり息を呑むスペクタクルなシーンが展開するものの、所詮CG
中盤は、3者の状況説明となるため、やや退屈
テーマはいいし、作りも良いのだけど、感動も盛り上がりももうちょっと欲しかった。
 
日本公開は来年2月
アカデミーに合わせてるんでしょうね。ノミネートは怪しいかも