しまんちゅシネマ

映画ノート

告白


スリラー大会 2本目!
今日は珍しく邦画。 
女性教師が繰り広げる復讐の顛末を描くスリラーです。
告白(2010) 日本
監督:中島哲也
出演:松たか子木村佳乃岡田将生西井幸人藤原薫橋本愛

【ストーリー】
とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言するのだった。
■感想
「最愛の娘が死んだのは事故ではない。
このクラスの2人に殺されたのです。」
 
そんなショッキングな告白に、クラス中が恐れおののく映画だと思っていたけど
そんな単純なものではなかったのね。
 
松たか子扮する森口先生は 確かに復讐を始めた。
その結果もたらされる惨劇はホラーでもあった。
けど、森口先生の真意は復讐だけでなかったのでしょう。
 
人は過ちを犯すもの
そしてその過ちは償わなければならない
けれど一番大切なことは、過ちを犯した本人が、その罪の大きさを知ること。

残忍なシーンを見せながらも、背景には美しい音楽が流れ
私たちに感じて欲しいのは、命の大切さだと教えてくれるのですよね。
 
犯人Aの背景、心理は複雑だったけれど
彼の中で逆向きに時間をさかのぼっていた時計が、正しく時間を刻み始めるとき
えもいわれぬ感動に襲われました。
 
犯罪を犯す子供たちの背景や心理にとことん迫ると同時に
驚くほど真摯に命に向き合った作品でしたね。
 
ラストシーンの森口先生の表情に
彼女の子供たちを愛する心を感じ涙。
 
どんよりと曇った空が少しずつ晴れ間を見せるエンドロールも余韻を残しました。
 
さすがに昨年のナンバーワンといわれる作品、天晴れでした。