しまんちゅシネマ

映画ノート

七人の侍


 
ダラス・アジア・フィルム・フェスティバルでの鑑賞です。
世界のクロサワ作品の中でも、一番の評価を得ている作品ですね
七人の侍 (1954) 日本
監督:黒澤明
出演:三船敏郎志村喬津島恵子藤原釜足加東大介木村功千秋実宮口精二/小杉義男/左卜全
【ストーリー】
麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。
百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。(allcinemaより)
 
今頃観たんかい!シリーズですね~。
3時間27分という長さにびびってましたが、時間を感じませんでした。
 
ハリウッドリメイク品の『荒野の七人』を観てましたが
ドラマの深さは、クロサワに軍配ですね。
 
村を盗賊から守るために百姓が侍を雇う、
普通に考えたら、ありえないようなお話だけど
お腹を空かせた侍を、白米のおにぎりで釣ろうというのが面白い。
けど、百姓たちの思惑とは違って
侍たちは、必ずしも食べ物に惹かれて引き受けるわけではない
ストイックな侍魂 心に持ち続けてきたあだ討ちの思い 憧れなど それぞれ。
最初に引き受けることになった志村喬の人柄に触れ、人が結束する
リーダーシップとはこうあるべき。
 
上映前のトリビア・コーナーで、「出演者の名前は?」との質問に
「トシロ・ミフネ」(発音悪しw)と正解者が答えてくれたけど
やっぱりクロサワ映画の立役者は三船敏郎なんでしょうね。
粗野で、果敢で、時に能天気で、大きなガキ大将みたいなキャラだけど
彼が登場し、ピョンと飛び上がるたびに会場が爆笑する
サイレント映画チャップリン的な役割を担ってるんだと思った。
馬芸ならぬ、馬とのユーモラスな絡みも楽しい。(馬も巧いんだけどw)
 
あと、剣の達人宮口精二に憧れる若者は、
一瞬ゲイに目覚めたのかと思ったけど、そうではなかったのねw
 
後半の盗賊との戦いは凄まじい
村人も確実に成長した。
ズビズバァの左朴全(歳がばればれw)のすっとぼけたキャラが好き(笑)  
 
ラストにかかり、田植えのシーンのエンタメ性の心地よさ
自らの身分を悟る村娘の悲哀など
戦の後の悲喜こもごもにもジンとする。
 
この時代に日本でこんな映画を作ったことに驚くし、誇りに思いますね。
映画鑑賞の直前に、なでしこジャパンの世界一が決まったわけで
SHIGEさんがコメントしてくれたように、
同じ日に、世界の頂点に立つ日本をダブルで経験できたことは、最高に幸せでした。