しまんちゅシネマ

映画ノート

狼たちの処刑台

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ビバ!敬老!!!
今日からは、少しだけマイケル・ケインの作品を観ていきます。
まずは、イギリス産のクライム・アクション『狼たちの処刑台』。
ロンドンを舞台に、元海兵隊の老人がギャングに立ち向かう姿を描くヴィジランテものです。
狼たちの処刑台(2009) イギリス
監督:ダニエル・バーバー
出演:マイケル・ケインエミリー・モーティマー/チャーリー・クリード・マイルズ/ベン・ドリュー
   リーアム・カニンガムイアン・グレン
   
本当は、マイケルじいちゃんの若くかっこいい姿を拝もうと、録画したタ『ゲットカーター』を見ようとしたら
なんとスタローン版でガックリ(笑)
ならばと、最近のものからさかのぼることにしました。
マイケル・ケイン演じるハリー・ブラウンは、病気の妻を病院に見舞い、
親友とチェスを楽しむ余生を送る老人です。
ハリーの暮らす公営団地周辺は治安が悪く、暴力が絶えない。
ある日、ハリーは妻危篤の報を受けるも、ギャングのたむろするトンネルを使えず
妻の死を見取ることができなかったんですね。
悲しみに沈むやさき、唯一の親友までもが悲惨な死を遂げる。
ついにハリーは静かな復讐に向け動き出す というお話です。
 
おん歳78歳のマイケルじいちゃんが復讐に燃える老人を演じるわけですが
昔は海兵隊でIRAと戦った英雄だったことから、思わぬ戦闘能力を垣間見せる。
それでもなんせご老人。体力には限界があるわけで・・。
身よりも話し相手さえも失ったハリーが、失うものが何もないところで
執念を見せる姿に、哀愁が漂っちゃうんですねぇ。
 
最近の暴動騒動でも、若いギャング集団の過激な強奪行動などが報じられ
ロンドンの治安の悪さを知ることになったけど
この国をどうにかしたいという作り手の思いも感じるところ。
 
監督はこれが長編デビューとなるダニエル・バーバー
エミリー・モーティマーが繊細ながら芯の強い女刑事を好演しています。
 
本来そこにあるべき車や人を一切排除し、
ハリーが一人、問題のトンネルに向かう姿を捉えたラストシーンは
ファンタジーでもあり、想像力を掻きたてられました。
 
イギリスのエンパイア賞など受賞。
マイケル・ケインの演技で渋さを増した一本だったと思います。