しまんちゅシネマ

映画ノート

ラスト・オーダー (原題)

 
ビバ!敬老!!!
今日はマイケル・ケインの日本未公開作品『Last Orders』
50年来の友情を描く、壮大なドラマでありロードムービーです。

 
Last Orders(2001) イギリス
監督:フレッド・スケピシ
出演:マイケル・ケインヘレン・ミレンボブ・ホスキンス/JJ・フィールド/デヴィッド・ヘミングス
トム・コートネイレイ・ウィンストン
   
マイケル・ケイン演じるジャックは、ロンドンで肉屋を営むおじいちゃん。
親友たちとパブでお酒を楽しむのが常のジャックだったが、ついにこの世を去った。
彼の遺言は、自分の灰を思い出の地の海に撒くこと。
ジャックの友人レイ、ヴィック、レニーと、息子ヴィンスは遺言に従い海辺の街マーゲイトを目指す。
 
マイケル・ケインの最初の登場シーンというのが、
Jack in the Box(笑) 箱に入った灰状態っていうのもブラックですが
映画は友人3人と息子の4人のマーゲイトへのドライブを通し
彼らの出会いや、それぞれの人生を語るという形式でした。
 
50年来の友情物語でもあり、若い頃を別の役者が演じているし
それぞれの家族の話も絡んでくるものだから、なんせ登場人物が多く
一度の鑑賞では消化できなかったのよねぇ。
それでも2度観てみると、実に丁寧にそれぞれの人生が盛り込まれてることに感心。
 
ジャックの妻エイミーを演じるのがヘレン・ミレン
彼らの出会いもとても爽やかに描かれ、ジャックは最後までエイミーを愛してる。
でも、彼らの間には知能障害を持つ女の子がいて、
ジャックはその子を受け入れることができなかったんだよねぇ。
そして彼は自分の中から完全に娘の存在を排除。
妻のエイミーだけが50年間、週に一度、娘を施設に訪ねるという暮らし。
そんな妻の葛藤や、ジャックと友人たちの戦争での思い出が色々に詰め込まれ
群像劇的な描き方になってるので、いやはや盛りだくさん。
 
誰の人生も完璧じゃないのね。
でもそのときは目いっぱい生きてきたし、最善を尽くしてきた 
そう思える人生なら、それはそれでいいんだという視線が優しいです。
最後に心から理解し合える友人や家族と思いでを共有し、
人生を穏やかに終わることができるのは幸せだなと思った作品でした。
 
若きジャックを演じたJJ・フィールドがよく似てたし、奔放で良かった。