しまんちゅシネマ

映画ノート

欲望


ビバ!敬老!!!
バサマも若い頃はあったのよ~。ってことで、今日は実力おばあちゃん女優
ヴァネッサ・レッドグレーヴの初期の作品『欲望
ミケランジェロ・アントニオーニ監督の、ちょっと不思議なサスペンス?ですね。

 
欲望(1966) イギリス/イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:デヴィッド・ヘミングスヴァネッサ・レッドグレーヴ/サラ・マイルズ/ジェーン・バーキン
  
 


人気カメラマンのトーマス(デヴィッド・ヘミングス)は、ファッションカメラマンとして成功し、
自宅スタジオには彼に撮って貰おうと若いモデルが押し寄せるほどなんですが
どうやら、彼が本当に撮りたいものは、もっとリアリティのあるらしく、
街に出ては生活感のあるものにカメラを向ける若者なんですね。
そんなある日、トーマスは公園で一組のカップルを見かけデート現場を盗撮するのだけど
カップルの女(ヴァネッサ)の方が、それに気づき、ネガを返して欲しいと懇願。
女はその場を走り去るが、その後トーマスのスタジオにまで来てネガを渡すことを要求。
トーマスは代わりににせのネガを渡し女を帰らせます。
 

ところが興味本位にネガを現像すると、女が藪に向ける視線が気になってくる。
その視線の先を何度も現像した末、トーマスはそれが殺人のシーンだったことに気づくんですね。
いやはや、普通のミステリ映画なら、その殺人を追求していくんでしょうけど
この映画はそうではないんだなぁ。
 
トーマスは再度公園に足を運び、地面に横たわる男の死体を確認する。
けれど、彼は警察に通報するでもなく
次には、スタジオ内のネガも誰かに持ち去られ、死体さえもその場から消えている。
事件など何も起きなかったと言わんばかりの結末。
正直、この映画が言わんことはなにかはわからないのだけど
冒頭に出てきたアナーキーな若者の集団が、パントマイムでテニスを演じる終盤。
見えないはずのボールをカメラが追い、
ふふんと傍観していたトーマスが架空のテニスにさりげに加わることになるのが面白いですね。
 
トーマスの仕事にしても、若者たちにしても、はたまた殺人事件にしても
現実と虚像の境があいまいな今日この頃、という感じでしょうか。
最後、聞こえないはずのボールの音が聞こえた気がしたのは気のせいかな。
トーマスが芝の中にいきなり消えるラストショットも狐につままれた感覚。
おっと、ヴァネッサは登場時間は少ないですが
男らしい裸体を披露してますね。 え?(;・∀・)

原題のBLOWUPとは、ネガを現像するときに拡大していく作業をいうらしいのですが
映画の中で、トーマスが何度もネガを現像し、真実に近づいていく様子がサスペンスフルで
映画的面白さがありました。邦題の意味は何かな?
 
そんなこんなで、よくわからなかったけど、
軽いタッチの音楽もマッチしていて、この感覚は好き。
 
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