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映画ノート

地獄の黙示録

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カンヌ関連作品、今日は1979年パルムドール国際映画批評家連盟2冠の『地獄の黙示録』を。
ご存知 フランシス・フォード・コッポラによる戦争映画。
はいな、今頃観たんかい!シリーズですね(^^;)
 
地獄の黙示録(1979) アメリ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マーロン・ブランドマーティン・シーンデニス・ホッパーロバート・デュヴァルフレデリック・フォレスト

マーティン・シーン演じるウィラード大尉は、ジャングル奥地に自分の王国を築き、
頭がいかれてしまったカーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺を命じられる戦地に赴く。
戦線に加わりながら、時を待って4人の兵士たちとカーツの王国を目指し川を下るウィラードが見たものは・・
 
莫大な金と爆薬を投じながら、ベトナム戦争に敗退したアメリカですが
女子供を焼き払い、捨て身のベトナム人にどこから襲撃を食らうかもわからない恐怖は
次第に兵士の心を蝕んでいったことでしょう。
 

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そんな泥沼のベトナム戦争を描いたのが本作。
撮影は予定を超えての長丁場となったようで、一年三ヶ月の間には、
主演のマーティン・シーンが心臓発作に襲われたり
コッポラ自身も心労で倒れたりと、大変だったようですが
CGに頼らない戦闘シーンの迫力はすさまじいばかりだし、
兵士の狂気の描き方も、映画的に面白い。
夕日に輝く海の美しさ、列をなして現れるヘリコプター
戦場をこれほど美しい絵にしてしまうのは、流石『ゴッドファーザー』でアカデミー連覇のコッポラ。
 
そして、やはり印象的なのは、戦争の捉え方でしょう。
カーツ暗殺を命じられたウィラードは、カーツに出会う前に
兵士の狂気を目の当たりにし、次第に戦争に疑問を持ち始めるんですよね。
開始から2時間も経とうかというときに、ようやくマーロン・ブランドの登場
カーツは自分にはむかうものを殺し、山岳民族に神のように崇拝される男。
カーツのキャラクターには、我侭放題のブランドのおかげで、様々に変更を余儀なくされたようですが
カーツに捕らえられたウィラードは、次第に彼に洗脳される、けれども・・・。
 
 
今回、私が観たのは、オリジナルバージョンでしたが、
後に出された完全版を観ると、ラストの意味合いも大きく違ってくるようですね~。
時間的なものもあり、まずはオリジナルをとこちらを見たのだけど
完全版を観なければ、この映画は終われないという気がします。
 
そもそもウィラード大尉には、スティーブ・マックィーンが予定されていたとか。
マーティン・シーンも良かったけど、マックィーンだとまた違った映画になっただろうなぁ。
 
ゴールデングローブなどで演技を評価されたのは、キルゴア中尉を演じたロバート・デュバル
ナパーム砲の匂いを愛し、砲弾飛び交う中、部下にサーフィンを命じるいかれた男。
ベトナム戦争の狂気の象徴であり、彼こそがベトナム戦争そのもの だったのでしょうね。