しまんちゅシネマ

映画ノート

コールド・ソウルズ/COLD SOULS(原題)


cinema de しりとり 36回目 【こ】

プレスリーvsミイラ男』から繋がって、今日は「こ」で始まる映画
ポール・ジアマッティが本人役を演じるSFコメディ『コールド・ソウルズ/COLD SOULS』です。
コールド・ソウルズ/COLD SOULS(原題)(2009) アメリカ/フランス
監督/脚本:Sophie Barthes
出演:ポール・ジアマッティデヴィッド・ストラザーン/Dina Korzun/エミリー・ワトソン
    
俳優ポール・ジアマッティポール・ジアマッティ)はチェーホフの戯曲『ワーニャ叔父さん』の
役の解釈に悩み、神経衰弱に陥っていたところ、
「魂を抜いて負担を軽減する」というハイテク会社の存在を知り、門をたたく。
半信半疑ながらも、この苦しみから逃れられるならと施術を受けるジアマッティだったが、
魂の抜けた彼の演技は散々で・・・。
 
女性監督Sophie Barthesの長編デビュー作です。
そもそものアイディアは監督が見た夢からきてるそうで
夢の中に出てきたウディ・アレンが、機械にかけられ魂を抜き取られる。
その抜き取られた魂がヒヨコマメの形で、ウディは「どうしてこんな魂で40もの映画を撮れるんだ!」とおかんむりw

監督はその夢を書きとめていたらしいのですね。
 

 
ウディ・アレンと出会うのは難しいかなと考えた監督は、結局ジアマッティに置き換え脚本を書き
酒の力を借り、ジアマッティと妻に直接交渉し作られたのが本作。
ジアマッティに断られたら、映画にするのは諦めようと思っていたとか。

「魂を保管する」というハイテク会社の所長をデヴィッド・ストラザーンが演じていて
ジアマッティとの掛け合いが最高.。
眉唾もののストラザーンとマシーンに笑うしかありませんw
 

さて、魂を抜きたい人がいれば、魂を欲しがる人もいるというわけで
ロシアでは、魂を売買する組織が存在してるという、
あり得そうなお話になっていくのもシニカル。(ちなみにロケはきっちりロシアで!)
ジアマッティの魂が、ひょんなことからロシアに運ばれてしまったことから
魂の運び人であるロシア人女性ニーナ(Dina Korzun)を巻き込んだ
文字通り魂探しの旅が始まるというわけです。
 
ポール・ジアマッティはというと、役作りに悩み神経衰弱に陥っているとき
魂を95%抜いたとき、ロシア人の詩人の魂を借りているwときと、
それぞれの魂の状態で劇中劇を演じているわけで、上手い役者じゃないと、こんなことできませんって。
 
映画の中で、魂は形も色も人それぞれと説明されていて
疲れた人の魂ってグレイとか黒っぽかったりするらしい。
大事に扱わないと乾いてしまうみたいだし
自分の魂はどんなかしら?って、気になりますよね。
 
人の魂が着脱可能!そんな新鮮なプロットで笑わせてくれながら
最後には魂を取り戻すことができない人間の哀しみが涙を誘います。
今まで意識したことのないに思いを馳せ、その重みを痛感する作品でした。
 
日本公開の予定はまだ聞かないけど、せめてDVDにしておくれ~。