Ｒｉｃｋｙ リッキー

 

欧州ものが続きますが

今日はフランソワ・オゾン監督のファンタジーな一本『Ｒｉｃｋｙ　リッキー』。

 

Ｒｉｃｋｙ　リッキー(２００９)　フランス／イタリア
監督：フランソワ・オゾン
出演：アレクサンドラ・ラミー／セルジ・ロペス／メリュジーヌ・マヤンス／アルチュール・ペイレ／アンドレ・ウィルム

 

娘のリザと暮らすシングルマザーのカティ（アレクサンドラ・ラミー）は、
勤め先の工場の新入り外国人パコ（セルジオ・ロペス）と出会い、一緒に暮らし始める。
間もなく赤ちゃんを授かり、リッキーと名づけるが
何故か泣いてばかりのリッキーに二人は疲れ果て、やがてパコは家を出る事態に
そんなとき、リッキーの背中に翼が生えはじめ、やがて部屋を自由に飛び回るようになるが・・

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バツイチ同士の結婚が、翼の生えた赤ちゃんの誕生によって揺らぐという話です
オゾン監督には珍しいファンタジーな題材だけど、

描かれるのは母性であり、家族の再生ですね。

 

とにかくリッキーが可愛い～
　
赤ちゃんの背中にあんな手羽先が生えてきたら、正直キモ！ってもんだけど
カティは驚きながらも、手羽（笑）の長さを測ったりしてしっかり成長を見守るのね。
そんな描き方はとってもシュール。
そしてリッキーが初めて翼を羽ばたかせ部屋を飛び回る姿に目を細める様子は
まるで歩き始めたことを喜ぶ母のごとき。

クライマックスで空を羽ばたくリッキーに向けるまなざしも
成人し親元を離れるわが子を、寂しいけど誇らしくみつめる母のそれに近いかもしれません。

 

赤ちゃんの誕生に、自分の存在危機を感じていた娘ちゃんも
ママを助けようと、懸命にリッキーの世話をしていてけなげで可愛い。
最後は、パコのバイクで登校する娘ちゃんが、パコの背中に回した手に力を込める
それだけで新しい家族の再生を感じさせる素敵なシーンでした。

 

ちなみに、医者の役で登場するアンドレ・ウィルムさんは
今年はアキ・カウリスマキ監督の話題の新作で主役を務め
ヨーロッパ映画賞で主演男優賞にノミネートされてますね。

 

パコを演じたセルジオ・ロペスは『熟れた本能』でクリスティン・スコット・トーマスと
官能を繰り広げてくれたのが記憶に新しいところ。

今回は毛深いのが役柄としてポイントだったみたいだけどｗ
ヨーロッパでは、今はこの手がセクシーなのでしょうか（汗）