しまんちゅシネマ

映画ノート

モニカ・ベルッチ『マレーナ』





さてさて、TiVoの問題色々がようやく解決してきましたので
サクサクと美人女優特集進めましょう。

美女第2弾はモニカ・ベルッチ
ベルッチを世に知らしめたトルナトーレの『マレーナ』です。






マレーナ
原題:Malena
2000年(イタリア/アメリカ)
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:モニカ・ベルッチジュゼッペ・スルファーロルチアーノ・フェデリコ



1940年、第二次大戦下のイタリア。12歳の少年レナートは、村で一番美しい女マレーナに一目惚れする。戦地にいる夫を想い、目の見えぬ父親の世話をするマレーナを影のように追うレナート。やがてマレーナの夫の戦死が伝えられ・・




町一番の美しい女マレーナを演じるのは勿論モニカ・ベルッチ
町中の男の熱い視線と女たちの嫉妬の眼差しを全身に受けながらも、その表情は少し暗い。なぜなら結婚2週間で夫は戦地に派遣され、マレーナは一人で夫を待つ毎日なんですね。
12歳の少年レナートはそんなマレーナに一目ぼれ。
白いワンピースにハイヒール、スカートからかすかに見えるガータ留めの膨らみが少年の目を釘付けにし、以後彼の中でマレーナへの思いは膨らむばかりです。



前半は大人への階段を駆け上る少年の様子が妄想混じりにコミカルに描かれ、ベルッチのポロリもあったりと、ちょっぴりHな思春期映画の風合い。ところが中盤からは戦争に翻弄されるマレーナの変遷を少年の目を通し目撃することとなりました。

マレーナの哀しみに対し、身もだえするより他に術を持たない少年。
それでも彼は、終盤勇気を奮ってある行動に出て、そのことはマレーナを救うことになります。




半ズボンから長ズボンになり、床屋で大人用の椅子に座れるようになる、そんな少年の成長や、普段は大声で怒鳴ってばかりの父親が、マレーナに夢中になりすぎて卒倒してしまう息子に見せる親心など、トルナトーレの温かな視線が日常の描写のあちこちに溢れているのにもほっこり。
建物に挟まれた青空に突如として現れた戦闘機に逃げ惑う人々。
戦争は残酷なまでの仕打ちをするけれど、顔をあげ前に歩きだすシチリアの人々の逞しさにもジワジワと感動します。

言葉を交わすでもない。
それでも純粋に人を想い続ける、こんな愛の形もあるんですね。
少年がマレーナを救ったことなど誰も知らない。
けれど彼の憧憬の中にのみあるこの真実は、人生の大きな拠り所になったに違いありません。

監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ
監督作品に欠かせないモリコーネの音楽も、映画のほろ苦さを引き立て絶品です。
ベルッチの美しさ、少年役ジュゼッペ・スルファーロのひたむきな瞳も印象的

これいいなぁ。心に残る一本です。


★★★★☆