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映画ノート

野蛮なやつら/SAVAGES




野蛮なやつら/SAVAGES (2012)アメリ
監督:オリヴァー・ストーン
出演:テイラー・キッシュ/アーロン・ジョンソンブレイク・ライヴリージョン・トラヴォルタベニチオ・デル・トロサルマ・ハエックエミール・ハーシュ
平和主義者のベン(アーロン・テイラー=ジョンソン)と元傭兵のチョン(テイラー・キッチュ)は親友同士。彼らはカリフォルニア州ラグーナ・ビーチを拠点に大麻栽培のベンチャー起業で大成功を収め、二人の共通の恋人オフィーリア(ブレイク・ライヴリー)と3人で生活している。だが、ある日、彼女がメキシコの麻薬組織に拉致され……。(シネマトゥデイ

麻薬組織の誘いを断ったばっかりに、ベンとチョンの共通の恋人O(オフェーリア)が誘拐され、男2人がO奪還に命をかけるという話。親友同士が一人の女をシェアするなんてことがありえるのか?というのが議論を呼んでますね。確かに逆の立場で、私が誰かと一人の男を共有すると考えたら、かなり微妙なわけで、男性陣が本作を受け入れられないと感じるのは無理もないと納得します。



本作でベンとチョンがOを共有するのは、本物の兄弟が母親を共通に愛するかのごとく。
そこに葛藤や嫉妬が殆ど描かれないのは不思議だけど、周囲はその違和感を表現していたし、Oも2人の愛は本物なのかと葛藤することもあったので、映画として触れていない訳ではない。
あくまで、こういう愛し方もあるのだということで、個人的にはロマンティックに感じたのでよしです。
なんたって、野性味溢れるテイラー・キッチュと優しさ漂うアーロン・ジョンソン2人それぞれタイプが違って素敵なんだもの。特にアーロンは今回初めていい男だと気づいたしw

とまぁ、3人の関係についてだけ書いたけど、個人的な映画の見所はまずそこでしたw
後はメキシコの麻薬組織の非道さね。

メキシコ訛の英語を喋る極悪男なデル・トロが、ベンら3人の関係を知って「savages、野蛮なやつらめ!」と言い捨てるシーンがある。あんたに言われたくないわな と誰もが思ったことでしょう。
この映画は、暴力で世を牛耳ろうとする闇組織と、三角関係で均衡を保つ、社会的には決して「まとも」じゃない若者との野蛮なもの対決という構図が面白い。
そして、およそ勝ち目のない相手に命がけで挑む若者の、無謀なまでの野蛮さは純粋でもあって、そこにある種のカタルシスを感じるのです。

ラストは面白い試みでしたが、映像もすがすがしく、
大好きな『冒険者たち』を彷彿とさせてくれるところも良かった。