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映画ノート

トリュフォー遺作『日曜日が待ち遠しい!』




日曜日が待ち遠しい!(1982)フランス
原題(英題):Confidenthially Yours
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ファニー・アルダン/ジャン=ルイ・トランティニャン/カロリーヌ・シオル/ジャン=ピエール・カルフォン今月はテレビでフランソワ・トリュフォー特集をしてます。先週気づいて何本か録画したけど一週目のは全部逃しちゃった。その中に『緑色の部屋』も入ってて悔やまれる・・





主演はトリュフォーが最後に愛したファニー・アルダン
番組の紹介によると、トリュフォーがテレビでアルダンを見て一目ぼれしたんだそうです。
本作は、殺人事件の容疑をかけられた不動産屋の雇い主(ジャン=ルイ・トランティニャン)にかわって、アルダン演じる秘書が素人探偵よろしく事件を捜査するというミステリー。

金髪好きのトランティニャンへの想いを隠しながら、その窮地を救おうとするアルダンが健気で
二人の会話はラブコメのように洒落ていて楽しい。

お話自体はとるに足りないけれど、ハイヒールで颯爽と歩くアルダンの美しい脚やお顔のアップが印象的で、カメラ越しの視線にトリュフォーの愛を感じるんですよね。

事件が解決を見る頃には、二人の仲は急接近
ラストシーン、アルダンの膨らんだお腹は本物。
アルダンはこの年の終わりにトリュフォーの子供を出産しています。
その2ヶ月前にトリュフォーは脳腫瘍を発症し、84年に52歳の若さで亡くなってしまったんですね。

映画の中でアルダンとトランティニャンが死について語るシーンがあり
トリュフォーは何かを予感していたのかしら、なんて 今見ると切ないですね。

でも映画自体は音楽も相まってとっても軽やか。
カメラのキャップを子供たちが蹴りあって遊ぶラストシーンも楽しくて、微笑ましく見終えました。
こんなさり気ない愛すべく作品が遺作になってしまうとは。
もっとたくさんの作品を撮って欲しかったですね。残念です。






       

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  1. 1. 日曜日が待ち遠しい  フランソワ・トリュフォー 1983年