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映画ノート

柔らかい肌






柔らかい肌(1963)フランス
原題:LA PEAU DOUCE/THE SOFT SKIN
監督:フランソワ・トリュフォー
出演: ジャン・ドザイーフランソワーズ・ドルレアックネリー・ベネデッティサビーヌ・オードパン、 ジャン・ラニエ、 ポール・エマニュエル



44歳のピエール(ジャン・ドザイー)は文芸雑誌の編集長で著名な評論家。彼はリスボンへの旅行の途中、美しいスチュワーデス、ニコール(フランソワーズ・ドルレアック)と知りあった。リスボンに着いてから、彼はニコールを食事にさそい異郷の町で一晩中語りあった。この日から、安定した彼の生活が狂い始めた。

不倫劇をサスペンス仕立てで描く心理ドラマ。
本作を見てトリュフォータランティーノ以上の足フェチだと確信しました(笑)

まずピエールが最初にスチュワーデスの二コールと出会う機内でのシーン。
ドルレアク演じるニコールは、乗務員用のカーテンの向こうでパンプスを履きかえるんですね。
その足元のみがカーテンの下から見える。
普通はそんなヒールの細いものをスチュワーデスは履かんだろと思うのだけど
それがトリュフォー流の願望でもあるんでしょうか。


二コールに渡されたマッチ箱に電話番号が書かれてることに気づいたピエールが
周囲に気づかれないように電話をかけようとするたびに、サスペンスフルな音楽が鳴り始めるのには笑ったw

ピエールは美しいニコールに溺れていくのだけど所詮44歳。
仕事をおざなりには出来ない社会人である彼が二コールと間で板ばさみになる
そんな心理描写が妙にリアルなのはトリュフォーの経験からくるものなのかな。





足フェチと言えば、時間がないのに、二コールに頼まれたストッキングを買いに走ったり
疲れて眠るニコールの足を愛撫したり、やっぱりどうしても足への愛がにじみ出るw
タイトルの柔らかい肌というのはここからきてるんでしょうか。

不倫の経験のある方などは、このジレンマや、ドキドキを楽しめることと思います。
個人的には、妻の心理描写がもっと明確だとよかったな。

最後の妻の行動に至るまでの伏線をもっと丁寧に張っておけば
よりサスペンス性が高まったのではと思います。





それにしてもまだ21歳のドルレアックの美しいこと。
二コールが全てを捨て自分に没頭してくれないピエールに不満をぶちまけるシーンの涙は、実生活で恋人だったトリュフォーに向けたものだったのかな、なんて考えちゃいますね。



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Tracked from 字幕映画のススメ at 2013-07-25 00:22 x

タイトル : 泥沼の不倫と悲劇 『柔らかい肌』
1964(C) Athos Films 『 柔らかい肌 』(1964) LA PEAU DOUCE フランソワ・トリュフォー の長編第4作は主題が「姦通」だ。今で言う「不倫」。 44歳の中年男。その妻38歳、そして夫の愛人22歳。 この3人の登場人物が織り成す三角関係から生まれるサスペンス 。 ......more