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映画ノート

ニューヨーク、恋人たちの2日間




ニューヨーク、恋人たちの2日間 (2012)フランス/ドイツ/ベルギー
原題:2 Days in New York
監督:ジュリー・デルピー
出演:ジュリー・デルピークリス・ロック/アルベール・デルピー/アレクシア・ランドー/アレックス・ナオン
日本公開:7/27~公開中
ジュリー・デルピーが監督&主演を勤めた『パリ、恋人たちの2日間』(未見です)の続編だそうです。
前作のパリの恋人と別れたマリオン(デルピー)は、子供を引き取りニューヨークで新しい恋人ミンガス(クリス・ロック)と穏やかながら幸せに暮らしている。
ところが、パリからマリオンのパパと妹のローズがやってくる、ローズ(アレクシア・ランドー)は恋人連れで、しかもそいつがマリオンの元彼というからややこしい。
映画は、マリオン一家に翻弄され、ミンガスとの関係も怪しくなるという、2日間の騒動を
赤裸々な笑いを交え描く、ちょっと変わったラブコメです。




ニューヨークが舞台ということで、てっきりアメリカ映画かと思ったら違うのね。

この作品、デルピー好きな私は好意的に受け止め楽しめたのだけど、一般受けはどうだろ。
特にアメリカ人にはどうかなぁ。
まずマリオン家の面々がひんしゅくなんだわ。
ミンガスや妹に対して、『ボラット』のサシャ並みの「黒人ネタ」をぶっつけ
そんな家族に苛立つマリオンもシモネタ満載に応戦する。
シニカルと言えば聞こえはいいけど、赤裸々で下品とも言えるネタ振りには好みが別れるかも。

でも結果的にミンガスが一番まともな人間に見えるのだから
逆に黒人をリスペクトした形ではあるのね。
クリス・ロックが温厚で優しいミンガスを演じていて好印象でした。

雨降って地固まる的なラストは、無理やりな力技ながら、幸せならいいじゃないって思える。
相応に歳をとったデルピーの、焦燥感やらつきぬけ感には共感できる部分もあり
フランスとアメリカのカルチャーギャップも楽しめた。
ちょっとバタバタ過ぎるけど、笑いどころもあって悪くなかったです。



ちなみに、『ビフォア・サンセット』にご近所さんとして夫婦で出演していたデルピーの実父が、今度はお父さんを演じてます。映画の中でマリオンのお母さんは最近天に召されたという設定だったけど、実際にデルピーのお母さんは今年(2013)2月にお亡くなりになってるんですね。
そう思うと、お父さん役アルベール・デルピー氏の演技に哀愁を感じちゃったな。




トラックバック一覧

  1. 1. 「ニューヨーク 恋人たちの2日間」はベタなコメディから後半ちょっとだけ背伸び。

    • [今昔映画館(静岡・神奈川・東京)]
    • August 08, 2013 22:59
    • 今回はヒューマントラストシネマ有楽町1で「ニューヨーク 恋人たちの2日間」を観てきました。こっちが大きな劇場で、「ペーパーボーイ 真夏の」が62席のちっちゃい方という割り振りはちょっと不思議でした。 マリオン(ジュリー・デルピー)は、ニューヨークで働くフラ