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映画ノート

エドガー・ライト監督『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』




エドガー・ライト監督のSFアクション・コメディ。
ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』とあわせて3部作の完結編とされる一本です。
ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013)イギリス
原題:The World's End
監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグニック・フロストパディ・コンシダインマーティン・フリーマンエディ・マーサンロザムンド・パイク
日本公開:2014年春
【ストーリー】
青春をともに過ごした仲間5人が、ゲイリー(サイモン・ペッグ)の呼びかけで20年ぶりに集まった。
いまや中年の彼らがやろうとするのは、かつて完遂することが出来なかった12軒のパブ・マラソン
しかし、その頃街ではとんでもないことが起きていて・・

いや~、面白かった。




今回お馬鹿5人組を演じるのは、おなじみサイモン・ペッグニック・フロストに加え、パディ・コンシダインマーティン・フリーマンエディ・マーサンという顔ぶれ。

最初は気乗りのしなかった面々も一旦集まると、じきに昔の心が蘇る
お酒が入り、徐々によっぱになる様子が楽しくて、ニマニマしながら見ちゃいます。

でもエドガー・ライト監督作品だからね、ただの同窓会で終わるはずがない。
最後のパブの名前がThe World's Endということから想像つくと思うのだけど
久々に帰った故郷なのに、何だか変・・と気づくときには、街はどえらいことになってる
でも発起人のゲイリーにはある思いがあって、何が何でもゴールを目指したいわけですね、はい。

今をときめく中堅どころの共演陣が脇をがっちり固め、それぞれのキャラが輝いてる。
体を張ったギャグやアクション、未知なる敵の思いがけない動きなど
オーソドックスから新鮮なものまで、笑いの要素満載。
加えて、友人たちがみな仕事や家庭を持ちしっかり生きてるのに、一人取り残される40代男の悲哀など、センシティブな部分も描かれ、可笑しいだけのコメディに終わってないのがいい。
サイモンとニックの友情の描き方にはしんみりさせられました。三部作の最後と思うと余計にね。

ただ、サイモン演じるゲイリーの初心はどう貫徹されたのか、顛末は目標に見合ったものだったのかなど、やや曖昧な描き方になっているのは残念かな。

とはいえ、SF要素は痛快で、ホラーの名作へのオマージュにもニンマリ
アポカリプトを描くものとしては、その完結の仕方に監督の優しさを感じます。
下ネタ頼りのハリウッドコメディとは格の違いを見せ付ける一本ですね。


トラックバック一覧

  1. 1. 「ワールズ・エンド」はジョン・カーペンターファンの私にうれしい映画、面白い。

    • [今昔映画館(静岡・神奈川・東京)]
    • April 26, 2014 15:43
    • 今回は新作の「ワールズ・エンド」を川崎チネチッタ5で観てきました。消費税の増税に伴い、映画のプログラムが値上がりしていました。まあ、仕方ない部分もあるのですが、3%から5%になったときにこういう端数の出る値上げをしたっけかなあ。 1990年、イギリス郊外の
  2. 2. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!

  3. 3. ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!

    • [いやいやえん]
    • October 16, 2014 08:47
    • 【概略】 学生時代に達成できなかった“ひと晩に5人で12軒のハシゴ酒”をするべくイギリス郊外の街に戻って来たアラフォー男たち。だが、街の人々は何者かに操られており…。 SFコメディ 「ショーン・オブ・ザ・デッド」「HOT FUZZホット・ファズ -俺たちスーパ