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映画ノート

ゴーン/Gone(原題)




飛びましたが「誘拐シリーズ」、今日はモリー・パーカー主演のカナダ産クライムスリラー。
ゴーン(原題)(2011)カナダ
原題:Gone
監督:グラント・ハーヴェイ
出演:モリー・パーカー/ロックリン・マンロー/ナターシャ・カリス/ソニア・ベネット
日本公開:
 3年前、暴行事件の被害者となったエイミー(モリー・パーカー)は、
今もそのトラウマに苦しみ、夫(ロックリン・マンロー)とは離婚の危機にあった。
そんな折、一人娘のエミリー(ナターシャ・カリス)が何者かに誘拐され・・


過去のトラウマから神経を病んだヒロインが、愛する家族を誘拐され、犯人に一人立ち向かうというストーリーは、アマンダ・セイフライドの『ファインド・アウト』に通じるものがあります。
『Gone』という原題も同じことから、何か関係があるのかしらと思っちゃいましたが
誘拐犯の正体がこちらはやや凝っていて、ナースであるヒロインは、ある組織の陰謀に利用された形。

しかしながら、エイミーが暴行事件後から、あらゆる自己防衛の手段を身につけていたことは
犯人にとっては誤算だった ってな展開です。



冒頭の数分に事件に通じるヒントが散りばめられ、娘の救出手段にもうまく伏線が張られていたのには感心。途中、犯人組織や警察の設定にツッコミどころや無理やりと感じるところもあったけれど、モリーが格闘技の教室で見事なとび蹴りを披露してくれたり、拳銃片手に犯罪組織に果敢に立ち向かうなど、意外な強さを見せてくれるので思わず引き込まれました。
冒頭、あれほど神経を病んでる風だったエイミーが、最後には憑き物が落ちたように晴れ晴れとした表情を見せる。トラウマの元凶は恐怖心であることを思えば、事件を機にそれを克服したということで理解できるのだけど、いかにもTVムービー的な幸せムードを醸し出すのは唐突過ぎて安易に感じたな。
それでもモリーの演技がサスペンスをうまく盛り立て、面白く見れたから良しです。




カナダ映画なので、モリー以外は知らない役者ばかり・・と思ったら
誘拐された娘ちゃん役は『ポゼッション』で悪魔憑きの演技を見せてくれたナターシャ・カリスでした。