しまんちゅシネマ

映画ノート

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅




ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督の新作を観てきました。
父と息子のロードムービーです。
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 (2013)アメリ
原題:Nebraska
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ブルース・ダーン/ウィル・フォーテ/ ジューン・スキッブステイシー・キーチボブ・オデンカーク
日本公開:2014/2・28

「あなたが当選されました!」などと謳って
よくよく見たら、「もしも雑誌にこの番号が載っていれば」と小さく説明が付加されてる
これって単に雑誌を売りたいだけなんだけど、つい引っかかりそうになった人いるでしょ。

 モンタナに住むウディ(ブルース・ダーン)も自分が一億円に当たったと信じ、
当選金を受け取るべく、ネブラスカを目指そうとします。
家族が止めても、聞く耳持たず。
おぼつかない足取りの父を放ってもおけず、息子が車で連れて行くことに。
本作はそんな父と息子の珍道中を描きます。




 ブルース・ダーンのしょぼくれ加減とお惚け具合が堂に入ってて
周囲の人とのユーモラスなやりとりに会場は笑いに包まれます。

しかし道中には、ウディの生まれ故郷もあり、
旅は思いがけず、ウディの人生を辿るものになる。

「老い」をペーソス溢れる笑いに変えながらも、
ウディの人生をリスペクトする監督の視線が優しくて
父と息子の気持ちが近づく終盤は、爽快なのに泣けてしまった。
カンヌで男優賞受賞ブルース・ダーンの演技は勿論最高。
息子役のウィル・フォーテの演技も高く評価されていますね。
妻にも笑わせてもらいました。


田舎町の少し寒々しい風景と、どこか時代に取り残されたようなウディが
モノクロ画面にあっていた気がします。

観た後にアルバムを引っ張り出したくなると思う。
家族が集うホリディ・シーズンに観てほしい映画です。