しまんちゅシネマ

映画ノート

ゲッタウェイ



 

逃げる映画特集2本目は『ゲッタウェイ
サム・ペキンパー監督、スティーヴ・マックィーン主演のサスペンス・アクションドラです。
ゲッタウェイ(1972)アメリ
原題:The Getaway
監督:サム・ペキンパー
出演:スティーヴ・マックィーンアリ・マッグローベン・ジョンソンアル・レッティエリ/ サリー・ストラザース / スリム・ピケンズ/ ボー・ホプキンス/ リチャード・ブライト
銀行強盗の罪で4年間服役中のドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)に釈放の許可が下りた。地方の政治家と裏約束を交わしたのだ。予定通り銀行強盗を働くドクだったが、ギャングには渡さず金を持ったまま逃走した。


古い作品でもあるので、今回はネタばれ全開です。未見の方はご注意くださいね。

冒頭、仮釈放を許されなかったドクの苛立ちを散々映し出した後
面会に来た妻キャロル(アリ・マッグロー)を役人の部屋に行かせ、次のシーンでは出所。
ペキンパーの手際のよい演出に感心しながらも、妻を利用するとはいただけないなと勝手に思ってしまった。
でも違ったのね。どうやら妻キャロルは自分の意思でドクのために身体を差し出したようで、
それを知ったドクは激怒。なんだぁ、ドクが仕向けたんじゃなかったんだ。
うんうん、マックィーンはそうでなくっちゃ。
しかし面白いのは、この夫婦、逃避行中もずーーっとその不協和音を引きずるんだな(笑)
苛立ったマックィーンは北島のサブちゃんに見えたし(汗)


 

カーチェイスや巧く追っ手を交わしたりの、スリリングなアクションを楽しむ一方で
マックィーンとマッグローの顔がずっと曇ったままなのが気になる。
修復を図れるのかという夫婦の問題を軸に据えた見せ方が面白い。

2人の関係を回復させる鍵となるのがごみ収集車のシーンでしょうね。
マッグローの半泣きはマジでしょと思うほど、アクションとしても迫力なんだけど、
ごみにまみれ汚れ果てたことで、過去の汚れを払拭できたというのかな。
その後から2人の距離がグンと縮まったのを感じ、ようやく安堵。
緩急の見せ方もお見事です。


 

2人を執拗に追う、悪役ルディ(アル・レッティエリ)の存在感も面白いよね。
そのルディに拉致された医者の妻(サリー・ストラザーン)が、水を得た魚のように生き生きしてくるのがまた可笑しい。先日ペキンパーの『砂漠の流れ者』のTV放送を録画しながらチラ見したのだけど、監督はイロっぽい金髪女性がお好みに違いない(笑)

ラストシーンは爽快でした!!