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映画ノート

ダーク・ハーフ




小説家が出てくる映画シリーズ
今日はスティーヴン・キング原作をジョージ・A・ロメロ監督で映画化したホラーミステリー『ダーク・ハーフ』です。
ダーク・ハーフ(1993)アメリ
原題:The Dark Half
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:ティモシー・ハットンエイミー・マディガンマイケル・ルーカージュリー・ハリス/ ロバート・ジョイ/ ケント・ブロードハースト/ ベス・グラント
大学で教鞭をとるボーモント(ティモシー・ハットン)は、人気のバイオレンス小説家という裏の顔を持っていた。しかしそのことに気づいたファンにゆすられ、ボーモントはペンネームを葬り去ることを決意。
その矢先、彼の周囲で不思議な猟奇殺人が起き始め・・

 小説家が出てくる作品としてさり気に観てみたんですが、主人公の周囲で作品を真似た猟奇事件が起こり始めるという点で『推理小説家ポー~』と似ています。
本作もまずボーモントが犯人として疑われるのだけど、彼の容疑は簡単には晴れない。
なぜなら現場に残された指紋がボーモントのものと一致してしまったからなんですね。
じゃ、ボーモントが犯人やん!と思うでしょ。
ところがどっこい。ボーモントにはアリバイがある。
そうこうするうちに監視下にあるボーモントから遠く離れた場所で新たな事件が起きるわけ。
しかもやっぱり指紋はボーモントのものと一致!
なんで~ってなもんでしょ。




 映画は、ダークハーフであるその存在と対峙する主人公の壮絶な闘いを描くわけなんですが・・
本作は、別人名義で小説を書いていたことを明かしたキング自身の半自伝的な要素を持ち
アルコールや薬物依存症に陥っていたキングが、その離脱に希望を託す気持ちも反映されているんだそうな。
誰の心の中にもダークな一面があり、それに打ち勝つには家族の愛と強い心が必要なのだという描き方は、普遍的でもあり、暗闇から抜け出そうとするキングの心境を考え合わせるととても真摯な作品だと思います。
 
こういう非現実的な話は好みが分かれるでしょうけど、生まれてくることのなかった双子の片割れのエピソードなどがあるのでなかなか面白かった。

ティモシー・ハットンは家族を愛する心優しいボーモントと邪悪なスタークの二役を熱演。
スタークが段々ゾンビみたいになってしまうのは、ロメロらしいところ。
クライマックスのスズメの襲撃も大迫力でした。




ボーモントの双子の赤ちゃんが可愛くてね。
唯一の芸「バイバイ」がうまい伏線になってたのも可愛かったわ~(笑)