しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】 ノット・フェイド・アウェイ(原題)




ジェームズ・ガンドルフィーニが亡くなって6月で一年。
遅ればせながらギャンドルちゃん(みーすけさん風に呼んでみました)作品を少し観ていこうと思います。
まずは、日本未公開のこんな一本を。
ノット・フェイド・アウェイ(2012)アメリ
原題:Not Fade Away
監督:デヴィッド・チェイス
出演:ジョン・マガロ/ジャック・ヒューストン/Meg Guzulescuジェームズ・ガンドルフィーニ
日本公開:

電車で出会ったミックとキースがブルースについてお喋りをしてローリング・ストーンズが誕生。2年後、ストーンズに憧れドラムを始めたダグラスは、ニュージャージーの楽器店の前でジョーと出会い、彼のバンドに加わった。
 
 60年代のアメリカを舞台に、バンドのメンバーとして青春を駆け抜けた若者の姿を描く音楽映画。
冒頭、ストーンズの出会いが描かれ、てっきりローリングストーンズ物語だと思ってね、
ギャンドルちゃんはメンバーの誰を演じるんだろうなどと思いながら観てたら、ちょっと違った(笑)
本作は『ソプラノズ』の製作者でもあるデヴィッド・チェイス監督が、スティーヴン・ヴァン・ザントと知り合って以来語りつくした60年代の音楽への思い出を映画にしたものであり、一部監督自身のバイオグラフィ的要素もあるのだそうです。



 
 60年代、ビートルズストーンズに影響を受け、多くの若者がスターダムを目指したんですね。
アメリカに暮らすダグラスもまた、ロックに目覚めドラムを始めた若者の一人。
ガンドルフィーニの出演は『ソプラノズ』繋がりかな。
彼が演じるのは、ダグラスのお父さんでイタリアからの移民のパット。
労働階級で懸命に息子を大学に通わせるパットは、髪を伸ばしロックに没頭する息子を不良扱い。
そんなことならベトナムに行けという父親に息子は持論で応戦する。
ヒッピー全盛の頃、若者には若者の主張が確かにあったんですよね。





バンドメンバー間の確執、恋愛など時代を背景にした若者の夢と挫折を60年代のロックミュージックとともに見せる映画。
ダグラスを演じたジョン・マガロの歌声も悪くないし、スティーヴン・ヴァン・ザントが技術指導までしたバンドの演奏もなかなかいい。




 観てる間、映画がどこに向かうのかが見えにくく、話もあちこちにいく印象は否めないのだけど
終わってみれば、そんな時代だったんだなと不思議に穏やかな気持ちになりました。
何よりも思わずリズムに身体を揺らしてしまう懐かしい曲がいっぱいで、
この頃の音楽が好きなら観て損はないと思います。
ガンドルフィーニは最後は彼らしい可愛らしいところも見せてくれました。