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映画ノート

【映画】 俺たちスーパーマジシャン<未>




俺たちスーパーマジシャン (2013)アメリ
原題:The Incredible Burt Wonderstone
監督:ドン・スカーディノ
出演:スティーヴ・カレルスティーヴ・ブシェミジム・キャリーオリヴィア・ワイルドアラン・アーキンジェームズ・ガンドルフィーニジェイ・モーア/ ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
日本公開:未公開

スティーヴ・カレルスティーヴ・ブシェミがデュオのマジシャンを演じるマジック・コメディです。
なんとギャンドルちゃんが出てるやないかい ということで観てみました。




バート(カレル)とアントン(ブシェミ)は小学生からの幼馴染。
マジック大好きな2人は互いに技を磨き、コンビを組んで憧れのプロ・マジシャンになるんですね。
昔のグループサウンズ(死語?w)風のいでたちでステージに登場するカレルさんとブシェミ先生のパフォーマンスが可笑しかわいくて、思わず頬がほころびます。


ところが、年月が過ぎ、おやじになっても2人のパフォーマンスは変わらずでちょっと寒い。
マンネリ化したマジックに客も離れてしまってるんですが、バートはそれさえ気づかない。ブシェミ先生演じるアントンとも言い争いが絶えなくなります。
そんなとき、奇抜なパフォーマンスを見せるストリートマジシャンのスティーヴ・グレイ(ジム・キャリー)が登場。バートとアントンはどうなるのか?というお話ね。

過去の栄光に囚われ、華やかさと傲慢さだけは一丁前。
そんな落ち目のマジシャンをカレルさんが演じてるんですが、変なメークと長髪なのもあってこれが恐ろしく似合わない(笑)すぐにカレルさんらしいキャラに戻ってくれるんだろうと信じてはいたけれど、まぁ馬鹿に時間がかかったね(汗)おかげで居心地の悪い時間が長かったよ。

やっと面白くなったのは、バートが全てを無くした自分に気づき再生に向かい始めてから。
きっかけとなる伝説のマジシャンを演じるアラン・アーキンがとってもいい。
喧嘩別れしていたアントンとの友情を取り戻すシーンはちょっと泣けるし
ラストにはあっと驚く(?)イリュージョンを披露してくれますよ。明かされる舞台裏も楽しい



おっと、忘れるところでしたが、ギャンドルちゃんが演じるのはカジノのホテル王で、バートとアントンの雇い主ね。でもギャンドルちゃんらしさはあまり拝めなくて、彼じゃなくてもよかったかなぁ。

全体的にせっかくのキャストを上手く使いきれてない気がしたけど、逆に言うと意外な面が見れた作品でもある。いつもはゴージャス過ぎて冷たく見えるオリヴィア・ワイルドナチュラルな女性を演じて好印象。初めてステージのアシスタントに借り出されるシーンのもじもじ振りは新鮮でした。


そんな中にあっても、らしいキャラを発揮したのジム・キャリーかな。
どっちかというといけ好かない役ながら身体を張ったパフォーマンスは彼ならでは。身体鍛えてるね。
ブシェミ先生は地味だったけどいい人だったし、久々に『ウェディング・シンガー』を思わせるブシェミ先生を見れたのは嬉しかった。

ものごとを長くやってると、初心を忘れがち。
マンネリに甘んじて情熱をなくしてしまったらお終いだなぁなどと考えさせられます。
仕事にも趣味にも、家族の関係など全てに通じること。
初心に立ち返り、誰かに喜んでもらえる感動を呼び起こされれば、この映画は観た価値ありだと思いますね。