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映画ノート

【映画】壁の中に誰かがいる







壁の中に誰かがいる(1991)アメリ
原題:The People Under the Stairs
監督:ウェス・クレイヴン
出演:ブランドン・アダムス/ エヴェレット・マッギル/ ウェンディ・ロビー/ A・J・ランガー / ヴィング・レイムス / ショーン・ウェーレン

ストーリー

13歳の誕生日を迎える黒人少年(通称)フールはアパートを追い出されようとしている。
母は病気、姉は妊娠中で働けず、家賃が払えないからだ。
なんとか ならないかな。
そんな折、姉の友人のリロイがフールに仕事を持ちかける。
大家の屋敷に埋蔵されているらしい金貨をいただこうというのだ。

しかし、偵察に行った仲間のスペンサーがいつまでも戻らない
心配したリロイとフールが屋敷に入ってみると、スペンサーは死体となって転がっていた!



ここのところ、誘拐、行方不明事件とか多くないですか。
金銭目当て、性的暴行を加えてビデオに撮る
いずれにしても、昔に比べて無差別で残忍な犯罪が増えた気がして怖いです。





さて、ウェス・クレイヴン監督による本作も、ある屋敷に入ってみたらば壁の中に誰かがいた!ってなお話で、壁から複数の手が伸びるシーンなどはポランスキーの『反撥』に通じる悪夢的な怖さがあります。
本作は妄想ではないですから、壁の中の人々はなんなんだというミステリーを大前提に、からくり屋敷のようなこの家から脱出を図ろうとするフールの奮闘をアドベンチャー的に描くという、ジャンルてんこ盛りの作品になっていくんですよね。






 大家夫婦を演じるのは(実は夫婦じゃないんですが)、『ツイン・ピークス』でガソリンスタンドを経営する変な夫婦を演じたお二人。
リンチに鍛えられた二人のサイコな演技が最高で、しかも変態すぎて次第に笑える。獰猛なはずの犬もいい味出していてさりげにコメディ


最後はスペクタキュラーなアクションまで準備されているという意外に贅沢な映画でしたね。
もっとも倫理的な部分で無理があるため、後味がいいかと言われると微妙で
フールの成長物語と簡単にいえないところですが、まぁ、深く考えないでおこうかな。少しグロい描写もあるので、子供には見せられないけど、大人が楽しむには少し幼稚。対象を定めにくい作品かも。