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映画ノート

【映画】『毛皮のヴィーナス』




毛皮のヴィーナス(2013)フランス
英題:Venus in Fur
監督:ロマン・ポランスキー
出演:エマニュエル・セリエ/アマルリック
日本公開:2014/12/20
舞台『毛皮のヴィーナス』のワンダ役のオーディションが行われたパリのシアターでは
脚本家で演出家のトマ(マチュー・アルマニック)が散々の結果に疲れ、会場を後にしようとしていた。
そこにやってくるのがエマニュエル・セニエ演じる女。
彼女は役名と同じ「ワンダ」と名乗り、オーディションを受けさせて欲しいと懇願する。
まるでその気のないトマだったが、しぶしぶ脚本読みに協力することになり・・・



今週末から日本公開になるロマン・ポランスキー新作の『毛皮のヴィーナス』。
オーストリアの作家ザッヘル=マゾッホの原作を基にしたブロードウェイの舞台劇の映画化だそうです。
このマゾッヒさんという名前がマゾヒズムの言葉の由来になってるとご存知の方も多いでしょう。



登場人物はマチューさんとセニエ嬢の2人のみ。
2人劇で退屈かしらと思いきや、なんのなんの。2人の演技力もあって大変面白い作品に仕上がっております。



まず、セニエ嬢のこのいでたちがいいでしょ。首には犬の首輪(笑)
何故か台本まで持参しているワンダは、脚本から作品をサドマゾポルノと解釈し、この格好でやってくる。
ポルノ呼ばわりされトマは激怒するものの、台詞を読み始めたワンダが北島マヤなみの変わりようを見せることに愕き、彼女から目が離せなくなるんですね。それは観客も同じこと。
そもそも、ワンダは何故台本を手にし、しかも台詞もキャラクターも知り尽くしているのか等、彼女に関するミステリーにも引き込まれるわけです。

幼少時代をゲットーで過ごしたり、自身が投獄されるなどの暗い過去が影響してか、ポランスキーは壁に囲まれ身動きが取れないようなシチュエーションを映画にすることを好む監督です。
しかし壁は打ち破るためにあるもの。
今回はトマが徐々に自分の性を開放させていくところがポイントですね。
適度な緊張とエロスとユーモアを保ちながら、次第に立場を逆転させていく2人。
マチューさんに後半大いに笑わせてもらいました。首輪や靴もいい仕事します(笑)

ミステリーが明かされたかと思いきや、あえて謎を謎として残すことで
クリスマスの贈り物的なファンタジーが加味されたように思います。

って、無理矢理ですが(笑)
今日の一曲はアベンジャーズからクリスマスキャロルのプレゼント
ウケるのでぜひ見てみて~w

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