しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】『パレードへようこそ』



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アカデミー賞ノミネーションまもなくですね。
今年は作品賞に何本選ばれるでしょうか。
激戦区の主演男優賞は誰が入るかなど興味は尽きません。ワクワク~。

さて、今日ご紹介するのは、ゴールデン・グローブ賞でコメディ・ミュージカル部門の作品賞にノミネートされたイギリスのコメディ・ドラマ『パレードへようこそ』。最高に面白い一本でした。
パレードへようこそ(2014)イギリス
原題:Pride
監督:マシュー・ウォーチャス
出演:ビル・ナイイメルダ・スタウントン/ベン・シュネッツァー/ジョージ・マッケイ/ ドミニク・ウェストパディ・コンシダインアンドリュー・スコット
日本公開:2015/4

サッチャー政権下の1984年、全英炭鉱労働者組合は国の民営化政策に対抗し、大規模なストライキを展開。ロンドンに住む青年マークは、これに同調し募金活動を開始する。しかし、彼らがゲイ&レズビアンの活動家(LGSM)であると知った炭鉱労働者たちからは、寄付の申し出を断られてしまう。そこに、ある勘違いから唯一申し出を受けて入れてくれる炭鉱組合が現れ・・

サウス・ウェールズの炭鉱労働者組合のメンバーと炭鉱夫をサポートしようと立ち上がったゲイ&レズビアン活動家との交流を描く実話ベースの物語です。

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ロンドンの同性愛者たちとサウス・ウェールズの炭鉱労働組合のみなさん
彼らの文化のギャップがコミカルなタッチで描かれるので笑いどころ満載。
最初は同性愛者に拒否反応を示していた炭鉱側の人間が次第に心を開いていく様子が感動的で
笑って泣ける上質なコメディに仕上がってますね。

映画紹介などを見ると主演はビル・ナイとなってるけど、ビル・ナイは主演の一人というべきかな。
実際にはレズ&ゲイグループのリーダー マーク(ベン・シュネッツァー)、LGSMの活動を通し自分を発見していく20歳のクローゼットゲイのジェフ(ジョージ・マッケイ)、炭鉱労働者組合の代表者ダイ(パディ・コンシダイン)などが同じくらいに主要な役割を担ってまして、その他数名の群像劇の形を成しています。
ビル・ナイは炭鉱側の法的な面倒を見る世話人的な役どころ
同じく炭鉱側のイメルダ・スタウントンが田舎の素朴かつ豪快な主婦を演じていてうまいのなんのって。
劇中ビル・ナイイメルダが二人でサンドイッチを作るシーンがあるんですが、内容はネタばれになるので言えないけど最高にいいシーンでした。

町をあげて炭鉱を守ろうとする労働者組合と、市民権を獲得すべく頑張るゲイ&レズビアグループの若者たち。彼らに共通するのは「プライド」。彼らを結びつけるのもお金ではなく友情。
困難に立ち向かうとき、そこにまだ見ぬ友がいてくれると思えれば頑張れる
劇中コンシダインが語るそんな言葉にも心を打たれます。

そんなに長くはない人生。自分を偽り隠れて一生を送るより
やりがいのもてる何かを見つけ、堂々と生きるほうが楽しいに決まってる。

音楽やダンスにも心躍り、早くも今年のマイトップ10入り確実。
壮大なウェールズの風景も美しく、これは大きなスクリーンで見たかった。