【映画】奇跡の2000マイル
作品情報奇跡の2000マイル(2013)オーストラリア原題:Tracks監督:ジョン・カラン日本公開:2015/7/18
あらすじ
1977年、ロビン・デヴィッドソンは一匹の犬と4頭のラクダを連れ、アリススプリングスからインド洋に向かってオーストラリアの砂漠地帯を歩いて渡ることを決める
トレーラー
感想
オーストラリアの砂漠を7ヶ月かけて横断したロビン・デヴィッドソンさんの手記を基にジョン・カランが監督をしたロードムービーです。徒歩で砂漠を、何ヶ月もかけて歩く。
無謀 自殺行為 クレイジー
周囲のそんな声にも耳をかさず、住み込みで働きながらラクダの調教を学び
ナショナルジオグラフィック協会とスポンサー契約を結び、ついに旅を決行するロビン。
ラクダ4匹と愛犬を引き連れての旅は、果たして成功するんでしょうか と言う話。
まずは、主演のミア・ワシコウスカに拍手を送りたい。
日焼けはする、服も髪もドロドロ。
ビジュアルにこだわる女優ならまず受けないでしょ。
しかも犬はいいとして、旅の道連れがラクダですよ(汗)
白い涎ダラダラで、フガフガグルグルうるさい盛りのついた雄のラクダを制御するのも凄いし、野性のラクダと対峙するロビンを演じるのは、よほどの根性がないと出来ないでしょう。脱帽ですよ。
ロビンさんのインタビューによると、過去にはジュディ・デイヴィスで映画化という話もあり、昼食を共にしたことがあるらしいんですが、その際ジュディはロビンさんの動作の一つ一つを真似しようとしたそうです。ミアは逆でむしろあまり見ないのに、3日目にはロビンさん(のキャラ)をものにしていたと驚いてました。天性の才能というものでしょうか。
ミアが演じるロビンという女性
映画の冒頭は、人と接触することを嫌うどこかとっつきにくい人なんですね。
実際、彼女が旅に出るのは人から離れたいという思いもあってのこと。
しかし孤独に身をおいて初めて彼女は人のぬくもりを知ることになる。
途中原住民の老人と旅を共にするんですが
現地語でモゴモゴ、でもお喋りのおじいちゃんに最初は戸惑っていたロビンが
最後には意味もわからないのにニコニコ顔になっててなんだか愛おしい。
旅の途中途中、ちょっとしたイベントがあるし風景も美しい
でも映画をまるで飽きずに観てしまうのは
やはりロビンのそんな変化に心を動かされるから。
旅のはじめと終わりとではまるで別人のロビンに、最後はこみ上げてくるものがありました。
ロビンを演じきったミアはあっぱれ。
いつのまにか、ラクダとも友情を育んでたりするのにもホッコリ
ラクダがまたいい演技するんだw
原作にはなかったロビンさんの背景を加え、キャラクターを掘り下げた作り手の力も大きいのでしょうね。
制作に『英国王のスピーチ』のスタッフ。
静かだけど美しく、いい映画でした。
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「奇跡の2000マイル」は純粋な旅もの映画としてオススメ、ヒロインが◎。
今回は新作の「奇跡の2000マイル」を有楽町スバル座で観てきました。こんな映画、誰も観に来ないだろうと高をくくっていたのですが、意外とお客さんが、それも年配のお客さんが入っていたのでびっくり。ここは上映時にスクリーン前の幕が開く、今は珍しい映画館です。 1975年のオーストラリア中央部のアリス・スプリングスにロビン(ミア・ワシコウスカ)という女性が愛犬ディギティと共に降り立ちました。彼女はここから、インド洋まで2000マイルを徒歩で歩こうというのです。都会に住んでいた彼女がそういうことを思
2015/7/21(火) 午後 7:07 [ 今昔映画館(静岡・神奈川・東京) ]