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映画ノート

【映画】夏の日の体験

 
 
 
夏の日の体験(1969)イギリス
原題:Three
監督:ジェームズ・ソルター
作品情報

あらすじ
クラシックカーをゲットしヨーロッパを旅行中のテイラー(サム・ウォーターストン)とバート(ロビー・ポーター)は美術館で出会った美しい女性マーティ(シャーロット・ランプリング)と意気投合し行動を共にする。


フルムービー(英語)字幕なし
  

感想


アーウィン・ショウの原作を『白銀のレーサー』の脚本家ジェームズ・ソルターが映画化した本作は、旅の途中で出会う一人の女性を巡り、2人の若者が恋と友情の狭間で揺れるさまを描くロードムービーです。

若きシャーロット・ランプリング目当てで観たんですけど、yahoo!はじめ日本の大手の映画サイトでも作品登録されてないところが多いですね。テレビ放映はされたようなので、観てる人もいると思うのだけど。


当時23歳のランプリングが演じるマーティは
「2人の男性と結婚し一週間ごとに過ごすのが密かな夢」
なんてぬかしても、許さなしゃあないほどに美しく、しかもすでにミステリアス。

テイラー・キッチュアーロン・ジョンソンブレイク・ライヴリーを共有した『野蛮なやつら』って映画があったけど、本作のテイラー(サム・ウォーターストン)とバート(ロビー・ポーター)はややこしい関係を避けるためプラトニックを通すことを約束するんですね。
でもそれもまた難しいって話。

監督と脚本を務めたジェームズ・ソルターはこれが唯一の監督作品ということだけど
台詞を抑え、ニュアンスや間(ま)を重視したポエティックな作風がいい感じ。


言葉で説明したりはしないかわりに、例えば、ひげを伸ばすことを決めたバートがあっさりひげを剃ったり、ちょっとしたシーンで性格を垣間見せ、次の展開を予測させるという手法が上手い。

波に揺れるボート
昼寝中のバートの胸に置く花束

それらが時にミスリードしつつ不安を煽ってくるので、ノミの心臓の私なんか
ドキドキして途中で休憩入れたりしてね。

サム・ウォーターストンは誠実だけど、自分の思いを口に出来ない大学生テイラーを優しげに演じていてこういう役似合ってる。彼の心情にシンクロする音楽もいいです。
ちなみにロゴを見ると本作の配給はユナイテッド・アーティスツ
この12年後にウォーターストンが悪役で出演した『天国の門』で潰すことになるのは皮肉だよなぁ。


秋の気配と共にひとつの恋が終わり、大人になるしかなかったあの日
きっと誰の中にもあるほろ苦い青春を呼び起こすノスタルジックな一本です。