しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】第十七捕虜収容所

stalag17

【作品情報】
第十七捕虜収容所(1953)アメリ
原題:Stalag17
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ビリー・ワイルダー  / エドウィン・ブラム
出演:ウィリアム・ホールデン / ドン・テイラー ダンバー /オットー・プレミンジャー/ ロバート・ストラウス/ ハーヴェイ・レンベック/ ネヴィル・ブランド/ ピーター・グレイヴス

【あらすじ】
1944年、クリスマスを一週間後に控えたある夜、第17捕虜収容所の2人の捕虜が脱走を決行。
2人を送り出したあと、部屋では脱走が成功するかの賭けが始まったが、一人セフトン(ウィリアム・ホールデン)は悲観的だった。間もなく外から銃声。2人は銃殺されたのだ。
待ち構えていたかのように脱走が見つかったことから仲間内で「スパイ」の存在が取りざたされ
セフトンに疑いの目が向けられた

【感想】
スイスの国境に近いドイツの第17捕虜収容所を舞台に、捕虜のアメリカ空軍軍曹たちの数日間を描く作品。
監督はビリー・ワイルダー、元は舞台劇だそうです。


脱走や房の家捜し、スパイなど収容所ものらしいシークエンスでスリルも味わえるんですが
ウィリアム・ホールデン演じるセフトンの「営業」や「エンターテインメント」を通じ、
不自由な中、なんと収容所生活を潤いのあるものにしようとする捕虜たちの日常の工夫が楽しくてワクワクします。
stalag-17b

ネズミのレースも楽しいですが、私が好きだったのはクリスマスを祝うパーティーシーン。
ささやかなクリスマスツリー、ピンポン玉のポンポンを飾りつけた房での男同士のダンス。
精神を病んで喋らなくなってしまった者へのプレゼントや、女が恋しくてたまらない仲間に女装でダンスしたり
仲間同士の結束や優しさの描き方も心地いいんですよね。

列車爆破の罪を問われた中尉を匿った場所は無理ありすぎ とか
気になるところもあるけれど、オスカーをゲットしたウィリアム・ホールデンのクールな活躍もあってバランスの取れた面白い映画でした。

ところで、実は今回観たのはオットー・プレミンジャー目当てでして(笑)
1953年の作品なので『天使の顔』と同じ頃ですよね。
プレミンジャーは収容所の所長を訛りのある英語で豪快に演じています。
スパイと通じた憎たらしい役ではあるんですが、ちょっとユーモラスなところもあって
強面だけどなんとなく憎めない。
下のクリップシーンも楽しそうですね。プレミンジャー グッジョブ!でした。

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