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映画ノート

【映画】ヴェルサイユの宮廷庭師


ヴェルサイユの宮廷庭師(2014)イギリス
原題:A Little Chaos
日本公開:2015/10/10

ルイ14世統治の1682年、フランス。女庭師サビーヌ・ド・バラの元に一通の書状が届く。それは、ヴェルサイユ宮殿の庭園建設に、民間の造園家にも参加を募るというもの。さっそく、面接へと向かうサビーヌだったが・・・


英国男優総選挙 特集
4回目・・ケインさまに「若いの、かかってこい」と言われて真っ先にこれ出すかってのはありますが、今日はアラン・リックマン!(笑)
監督作品が日本公開になるタイミングだす。


リックマン監督二作目となる本作は、ヴェルサイユ宮殿を舞台に、庭の建設を任された造園家と女性園芸家の恋を描く歴史ものロマンス。
リックマン本人も時の国王ルイ14世を演じております。

ベルサイユ宮殿の庭師として有名なアンドレ・ル・ノートルに『Far from the Madding Crowd 』のマティアス・スーナールツアンドレ指揮するプロジェクトに参加する庭師サビーヌ・ド・バラにケイト・ウィンスレット
2人は互いの才能を認めあい、やがて恋心を募らせていくことに。

この時代にに女性が指揮をとれば当然起こるであろう摩擦、
サビーヌの過去(幽霊話みたいな描写がいかしてる)、アンドレと妻の確執等
2人には乗り越えるべき問題があって
だからこそ、幸せになってほしいと思ってしまう。


マティアスって特にハンサムじゃないのに、このところ新作に引っ張りだこ。
不良な役も多いけれど最近では誠実な役で魅力を発揮してますね。
彼にまっすぐに見つめられると、天下のケイト・ウィンスレットでさえとろけてしまう。そう思わせるものがあります。

ただ、サビーヌの才能を王に進言したり、確かな審美眼を持つ人であることはわかるものの、アンドレの仕事の手腕を実感できる演出がなかったのはちょっと残念。



とは言え、リックマン自身が美しいものを見る目が確かなことは
映画のそこここから覗えます。
ややあせた色合いで描くシックゴージャスな衣装や装飾
音楽の美しさも映画を際立たせます。

ケイト・ウィンスレットはデカ・・コホン
役には年とりすぎてると思うけど、撮影時妊娠していたにも関わらずそれを隠して水に落ちるシーンなど自分で演じたというから凄い。

そんなケイトの強さがサビーヌの強さと重なり、宮廷の女たちを感動させる
宮廷に招かれたサビーヌがバラの一生を女の生き方に喩えるシーンが好き。

サビーヌは架空の人物ですが、
彼女の言葉が王に影響を与えるといった演出の妙は
歴史を知る人にはニヤリでしょう。

期待以上にいい作品でした。
衣装や美術の面でオスカーノミネートもありじゃないかな。

英国男優ファンから校長先生として慕われるのも納得
アラン・リックマン グッジョブです。

お金に余裕があれば王の役は誰か他の俳優にやってほしかったんだけどね
(byリックマン)


予告編です