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映画ノート

【映画】ダンシング・インサイド/明日を生きる


ダンシング・インサイド/明日を生きる(2005)イギリス
原題:Inside I’m Dancing
   Rory O'Shea Was Here (米タイトル)
監督:ダミアン・オドネル
出演:スティーヴン・ロバートソン / ジェームズ・マカヴォイ/ アラン・キング / ブレンダ・フリッカー/ ロモーラ・ガライ/ ルース・マッケイブ

障害者施設に暮らす小児麻痺のマイケル(ティーヴン・ロバートソン)は、施設に新しく入ってきた筋ジストロフィーの青年ローリー(ジェームズ・マカヴォイ)と知り合う。
ローリーがマイケルの言葉を理解したことから、互いに出来ないことを補い合う存在として交流を深めていく2人。
自立を求めるローリーの働きかかけで、やがて彼らは施設を出て共同生活を始めるが。。

英国男優総選挙 特集 6回目
 
今日は上位入賞が予想されるジェームズ・マカヴォイでいきましょう。
イギリスのテレビムービーです。




筋ジスのローリーと小児麻痺のマイケルとの交流を描く作品・・
障害者二人が主人公と聞いて引く人もいるかもだけど、これは凄くいい作品でした。

ブリジット・ジョーンズの日記』『リトル・ダンサー』の製作者が作ってるとあって、施設内の出来事もププッと笑えるユーモアもたっぷりに描かれています。

鼻ピアスでパンク風なマカヴォイの風貌もいいでしょ。
筋ジスのローリーは、入所早々に大騒音で夜中にヘビメタを聴き
早速トラブルメーカーの烙印を押されることに。

そんなローリーですがあちこちの施設で6年も過ごしてきた実績もありw
誰も解らない(解ろうとしてない)小児麻痺のマイケルの言葉を理解するんですね。
コミュニケーションをとれずストレスをためていたマイケルは大喜び。
ローリーがマイケルの言葉を代弁し、マイケルはローリーの髪のセットを手伝うw
互いの能力を補い合いながら交流を深める2人のデコボココンビぶりが楽しいのですよ。

ただし、楽しいだけでは勿論なくて
ローリーの言葉の端々にある不安がよぎり始めるんですが
その不安はローリーが21歳の誕生日を迎えることで確実となります。
筋ジスという難病について、少しでもご存知の方は
その意味がお分かりでしょう。

ローリーがルールに縛られるのを嫌い
自立した暮らしを送りたいと思うのは
それが人間らしく尊厳を持って生きる証だから。

ローリーはマイケルにも自分の可能性を知ってほしいと思うのだけど
でも諦めなければいけないこともいっぱいあって
それもマイケルに教えないといけないのが
見ていて凄く辛くて、泣けて仕方なかったな。

イギリスの障害者支援の現状など垣間見れる部分もあって
興味深い一本ですが、これは身障者映画とだけ観る必要はなく
普遍的な青春映画としても見ごたえありました。


電動車いすを操作する以外、首から下は一切使わない状態で
ローリーの優しさや葛藤や哀しみを表現したマカヴォイはあっぱれ。

マイケルを演じたスティーヴン・ロバートソンも
小児麻痺という身体状態を表現するだけでも大変だったはずだけど
これまた最高に素晴らしい演技。
マイケルの成長にも感動します。

身体に不自由があるわけでもないのに、自分で勝手に限界を決め
努力も冒険もしないまま、色んなことを諦めてる
私なんかはハッとするところがありました。


インタビュー動画です



毎年3位のヴォイ君、今年は2位くらいに躍進しないかな。
あ、でも、トムヒにも頑張ってほしい。
そろそろ個人的な予想順位出そうと思うのだけど悩むねぇ。