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映画ノート

【映画】サンダーボルト

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サンダーボルト(1974)アメリ
原題:Thunderbolt and Lightfoot
監督/脚本:マイケル・チミノ  
出演:クリント・イーストウッドジェフ・ブリッジス /ジョン・ケネディ/ジェフリー・ルイス

【あらすじ】
銀行破りで奪った50万ドルをめぐり、かつての相棒から追われる身となったサンダーボルト。旅の道づれライトフットを巻き込み再び銀行破りを決行するが……。

【感想】
場所を移してシニア選手権続けます。
今日はクリント・イーストウッド!!

教会で説教する牧師(イーストウッド)の前に大男が現れ、ライフルをぶっ放す。
教会を走り出た牧師は、車を盗んで逃走中の若者に拾われ難を逃れる。実は牧師はその手口からサンダーボルトと呼ばれた元銀行破りのジョン。彼は盗んだ金を巡るトラブルから元相棒のレッド(ジョージ・ケネディ)から命を狙われていた。
やがて彼らは再び銀行強盗を敢行することを決め、ライトフットも相棒として協力することになるが・・

イーストウッドは監督になってから好きになった俳優さんだけど、若い頃の作品を見直すと昔は昔でカッコいい。
セクシーな牧師姿での登場も、この頃ではサービスショットだよね。

監督はこれが監督デビューのマイケル・チミノ
銀行強盗にキャノン砲を使うという、『ダーティハリー』のパワーアップが売りかもしれないけれど
ロード・ムービー風に描くジョンとライトフットの交流に、この映画のよさがあります。


70年代、ジョンやレッドのように戦争を戦ったことのある中年に対し、若者は目標も持てず宙ぶらりんな存在でライトフットもそういった青年。しかし彼はヒッピーのように周りとつるむことはなく孤独な瞳をしている。
そんな彼が偶然ジョンを助けたことに自分の存在意義を感じたのか、ジョンを気に入り友だちになりたいと思う。歳が離れたライトフットをキッドと呼び、子ども扱いだったジョンもいつしか彼に信頼を置き、やがて2人は相棒となっていくんですね。

しかし中盤レッドにお腹を蹴られるシーンで、レッドの言う台詞は終盤への悲しき伏線。
ラスト、消えゆく意識の中にあって、達成感に満面の笑みを見せるブリッジスが切ないですが、ジョンという友を得てライトフットの瞳が輝いていたことが忘れられない。
彼を軸に見ればちょっと遅めのアメリカンニューシネマですね。

原題は「サンダーボルトとライトフット」なのに、邦題がサンダーボルトだけになってるのは淋しいよ。