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映画ノート

【映画】アントン君追悼『スパイダー』

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スパイダー(2001)
アメリ
原題:Along Came a Spider 
監督:リー・タマホリ
脚本:マーク・モス
出演:モーガン・フリーマンモニカ・ポッターマイケル・ウィンコット / ペネロープ・アン・ミラー/ マイケル・モリアーティ/  ミカ・ブーレム/ アントン・イェルチン

アントン君作品を録画するように設定していたらこれを拾ってくれましたので追悼2本目。
ジェームズ・パターソンの全米ベストセラー小説“アレックス・クロス・シリーズ”の映画化で前作『コレクター』に次ぎ、ワシントン市警の犯罪心理捜査官アレックス・クロスをモーガン・フリーマンが演じる犯罪ミステリー。
allcinemaのキャスト一覧にも名前が載ってないのだけど、アントン君結構重要なキャストで出てました!

ワシントンD.C.の一流私立学校からローズ上院議員の聡明な娘ミーガンが誘拐された。犯人は2年間も教師になりすました末、計画を遂行したのだ。アレックス・クロスの著作に精通する犯人は、クロスに捜査を担当することを依頼し挑発する。

【感想 
上院議員の娘の誘拐事件をめぐる犯罪ミステリーですが、これ初めから「あれ?」と思う部分がある。
というのも、学校にはFBIの捜査官が複数常駐し、教室でまで警備をしていること。
そしておもむろに上院議員の娘ミーガンの誘拐事件が起きるわけですが・・。
たかが上院議員の娘の警護にFBI常駐? 事件が起きる前から?と疑問符出まくりになる。
実は犯人の狙いはほかにあって、そこに係ってくるのがミーガンと同じ学校に通うボーイフレンドのアントン君ってことになるんです。

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ちょっとネタバレしますが
アントン君演じるデミトリ少年は、登場シーンからお抱え運転手とロシア語(多分)で会話してまして
実は彼はロシア大統領の息子だった・・というのが半分ほど経った時点でわかってきます。


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犯人に名指しされ事件を担当するのがモーガン・フリーマン演じるアレックス・クロス。
ミーガンやデミトリと顔なじみのFBI捜査官ジェシ―(モニカ・ポッター)とコンビを組み
事件の謎を解き明かしていく、クロスの鋭い推理がミステリーの面白さを引き立てます。
身代金(ダイヤモンド)の要求に応え奔走する様子などフリーマンまだ若い。
銃を構える姿も決まっててかっこいいんだわ。

でもこの映画、原作ファンからはかなり評判が悪いみたいなんですね。
原作の表面をなぞらってるだけというのが主な理由みたいだけど
アレックス・クロスのイメージ自体もフリーマンより若くかっこいい感じなのだとか。
そういえばイドリス・エルバもアレックス・クロスを演じてました。
そっちの方が近いのかな。
あと、ソンジーという犯人もシリーズの常連らしいので、彼に対する扱いも不評の理由らしい。

どうしても原作を知ってるとその通りにならないと気が済まず文句の一つも言いたくなるけど
映画なりの構成があって当たり前。

本作も犯人の動機が会話の中で上っ面が説明されるのみというのは確かにありますけど
アレックスの過去の失敗をアクション込みで見せつつ、ツイストまで描いて二時間に納めるのだから、これはやむなきかなと。
知的、冷静でいて温かみのあるフリーマンのクロスも凄くよかったですよ。
誘拐されたミーガンがあの手この手で脱出を試みるシーンのエンタメ性も、後半の思いがけない展開も楽しめました。


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天パのアントン君はこんなかわいらしいお姿でロシア語まで披露してくれるんだからある意味貴重ですね。
出番は少ないですが、聡明でちょっと気が強そうなロシア大統領の息子を、幼いアントン君なりに好演してたと思います。






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