【映画】スティル・クレイジー
スティル・クレイジー(1998) イギリス
原題:Still Crazy
監督:ブライアン・ギブソン
脚本:ディック・クレメント/ イアン・ラ・フレネ
出演: スティーヴン・レイ/ジミー・ネイル/ ティモシー・スポール/ ビル・ナイ/ ジュリエット・オーブリー/
ビリー・コノリー / ブルース・ロビンソン
【あらすじ】
伝説のウィズベック野外ロック・コンサートを最後に解散した人気バンド“ストレンジ・フルーツ”のキーボード トニーはウィズベック20周年記念フェスティバルに参加してはと誘われる。元マネージャーのカレンに声をかけ、メンバー招集に動き出すトニーだったが・・
【感想】
伝説のロックバンド「ストレンジ・フルーツ」が解散後20年ぶりに集結し、なんとヨーロッパツアーましてしまうというロック・コメディ。
自販機の補充業や屋根葺きなどメンバーたちはバンドと程遠い職についていて、唯一音楽に携わるボーカルのレイも豪邸を売りに出だそうとしていたりと、内情はそれぞれに厳しい様子。
トニーの声かけでメンバーが集結し、テストツアーとしてリバイバルコンサートを敢行するまで比較的スムーズなのは、みんなお金が必要だから。
でも、そもそもメンバー間の確執もあって解散に至ったバンドなのに再結成して上手くいくの?
そうこうするうちに、やっぱり問題が出てくるんだな。
おっさんバンドのリユニオンってことで、ハチャメチャB級なものを想像してたんですが、いや~これは面白かった。
まず凄いのは架空の「ストレンジ・フルーツ」が本物のロックバンドに見えてしまうところ。
こちらが20年前
演奏はプロが吹き替え、歌はキャストが歌ってるようだけど、そのパフォーマンスがさまになるんです。
特にボーカルのレイを演じるビル・ナイは声の張りや振りのキレ具合など、怖れや緊張、開き直りなどその時々の状況でコントロールしてるのが凄い。
派手なビジュアルに哀愁が漂わせ、絶妙に間を取るあたり、今さらながらただものじゃないと思ってしまった。
スティーヴン・レイもコン○ーム補充業に甘んじながらも、名刺にはちゃっかり「ロックスター」と入れていたり、ジミヘンの歯をペンダントにして身に着けてたりと、彼の中にはまだロックへの情熱がくすぶってるという設定が好き。そんなレイの誘いだからこそ、みんなが集結する。
彼らの心を動かすのはロック魂であり、かつての煌きなんだというところに共感するし、何よりも歌は楽しい。
いつしか顔を寄せあい歌う姿に、会場のみんなと一緒にノリノリになりながら泣いてましたよ。
映画が終わるころにはすっかりストレンジ・フルーツのファンでした。
ちなみにブライアン役のブルース・ロビンソンは『ウィズネイルと僕』の監督だったのね。
出番は少ないのに本物のロッカーに見えてかっこいいし、カリスマ性半端なし。
ということで、「英国男優50人斬り」今日はスティーヴン・レイとビル・ナイの二人を斬りました!