しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち

Stonehearst-logo.jpg  

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014 アメリ
原題:Stonehearst Asylum
監督:ブラッド・アンダーソン
脚本:ジョー・ガンジェミ
出演:ケイト・ベッキンセール
ジム・スタージェスブレンダン・グリーソンベン・キングズレーマイケル・ケイン

【あらすじ
研修医のエドワードは精神薬学を学ぶためストーンハースト病院にやってきた。


感想
エドガー・アラン・ポーの短編小説『タール博士とフェザー教授の療法』をもとに、ブラッド・アンダーソンが監督したサイコ・スリラーです。
StonehearstAsylum.jpg
19世紀末のイギリス。舞台となるストーンハースト病院は、ラム院長(ベン・キングズレー)のもと、この時代には珍しく解放病棟で精神疾患患者を治療している。研修医として着任したエドワードは美しい患者のエリザ(ケイト・ベッキンセール)に一目ぼれ。しかし、エドワードはまもなく病院内の異常な事実を知ることになり・・といった風で始まる本作。
早い時期に明かされるその事実から、私たちは病院の善悪を目の当たりにする。
そしてエドワードと同じ視線で善を応援しようとするのだけど、次第にその判断基準を失って困惑することになります。すなわち、善と思っていたことが本当に正しいのか?真実の医療はどこにあるのかを考えさせられるんですね。

でもそんな話に終わらないのが流石アラン・ポー原作。
それまでに感じた様々な疑問や違和感が伏線として一気に回収される後半の展開に、ただ脱帽です。
asylum20caine.jpg
ネタバレしたくないので詳細は書きませんけど、今日はベン・キングズレージム・スタージェスだけでなく、ブレンダン・グリーソンマイケル・ケインも一気斬り。
それぞれいい演技だったけど、ベン・キングズレーが素晴らしい。
stonehearstasylum3.jpg
あまりにも大きな悲しみを背負った者が正気のまま生きるのは過酷なことで
全てを忘れられるのはある意味で幸せなのかもしれないと思ったり。

劇中、ナースがエドワードに助言するラム医師の心を知って彼の心を癒しなさいとする言葉は医療の真髄にあたたかく迫るもので感動した。

ケイト・ベッキンセールが最後にアクションスターの片りんを見せてくれたのには爆笑。
ミステリーとしても超一級。これは面白かった。


ブログパーツ