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映画ノート

【映画】マネーモンスター

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マネーモンスター(2016 アメリ
原題:Money Monster
監督:ジョディ・フォスター
脚本:ジェイミー・リンデン  / アラン・ディ・フィオーレ/ ジム・カウフ
出演:ジョージ・クルーニー
 ジュリア・ロバーツ/ ジャック・オコンネル/ ドミニク・ウェスト / カトリーナ・バルフ

感想

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人気司会者リー・ゲイツジョージ・クルーニー)の軽妙なトークがウリの投資情報番組“マネーモンスター”放送中、銃を持った若者が番組に乱入。ゲイツが番組で推奨したアイビス社の株に投資して全財産を失ったと主張する青年カイル(ジャック・オコンネル)は株の暴落はコンピューターのグリッチ(プログラミング・バグ)だとするアイビス社に納得せず、ちゃんとした説明を求めています。
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警察が収録スタジオを包囲する中、爆弾を体につけられたゲイルは無事救出されるのか
番組ディレクター、パティ(ジュリア・ロバーツ)の采配は 

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最近はテレビドラマも手掛けているジョディ・フォスターの映画としては4作目の作品です。
『マネー・ショート』がちんぷんかんぷんだったので、本作も劇場を見送ってしまったんですが、今回は「英国男優50人斬り」のジャック・オコンネル目当てで鑑賞。
金融音痴の私でも十分楽しめる作品になってました。

この映画、ジャック演じるカイルの求めに応じ、同じく納得のいかないゲイツアイビス社に説明を求め、同時進行で
番組スタッフがアイビス社の調査をします。

以下少々ネタバレ気味に書いているので未見の方はご注意ください。

 凄いなと思ったのは、アイビス社のCEOをカメラがとらえた瞬間に、顔を認識するシステムが作動し、防犯カメラに映し出された映像からその行動をさかのぼって追うことができてしまうこと。
爆弾テロが起きた場合などには役に立つでしょうけど、FBIでもない一テレビ局がやっていいんだろうか。

多分、そういうのも含め、この映画は犯罪防止の視点でいつのまにか常識になってしまった事柄に対し、是非を問う意味合いもあったのかな。

カイルに同情しながらも、最後犯人に起きることには納得してしまう自分がいて、逆に違う結果になっていたら警察の甘さを指摘していたかもしれない。

事件を利用して番組をさらに盛り上げようとする人間も、事件をショーのように楽しむ人たちもみんな利己的。
でも、犯人に同情して悲しい気持ちになる瞬間も描かれるので、嫌な気分で終わらなくても済んでる。
ジョディの演出は「人は自分のエゴも認識してるし、こんな社会で生きるのは大変だ」というのが前提にあって
それでも根底には優しさがあることを信じているところが好き。

サスペンスを盛り立てる半面でユーモアも効かせてみたり、
トイレでHするもののに起きることは、というホラーの定説も踏襲。余裕さえ感じる作品作りに拍手です。

ということで、50人斬り21番目はアイルランド出身の若手ホープ、ジャック・オコンネル君でした。

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