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映画ノート

【映画】マグニフィセント・セブン(2016)

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 マグニフィセント・セブン(2016 アメリ
原題:The Magnificent Seven
監督:アントワーン・フークア
脚本:ニック・ピゾラット/
リチャード・ウェンク
出演:デンゼル・ワシントン
クリス・プラットイーサン・ホークヴィンセント・ドノフリオイ・ビョンホン
マヌエル・ガルシア=ルルフォ/
マーティン・センスマイヤー/ヘイリー・ベネット/ピーター・サースガード
日本公開:2017/1/27

感想
黒澤明監督の名作『七人の侍』のハリウッドリメイク『荒野の七人』の再リメイクです。
監督は『トレーニング デイ』『サウスポー』などのアントワーン・フークア

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非道な実業家バーソローミュー・ボークに牛耳られたローズ・クリ―クの町
目の前で夫を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)ら町の住人の依頼により、賞金稼ぎのサム・チザム(デンゼル・ワシントン)を筆頭に7人のならずものが集結する。


「誰にも気を許せない時代」の緊張感をピリピリに漂わせるの酒場のシーンから秀逸です。
無法地帯を生き抜くには必ずしも善人ではいられないわけで、集まった7人も例外ではない。
そんな彼らが雇われて戦ううち、いつしか縁もゆかりもない町のために仕える侍と化す。
ドラマ部分は控えめではあるものの、個々にトラウマや闇を抱えているがゆえに、戦いを通して自分を克服し、仲間と絆を深め命をかける様にグっとくるんだな。
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リメイクとはいっても別ものというだけあって、今回、7人は黒人、アジア人、ヒスパニック、ネイティブ・アメリカンなど多様な人種の集まりとなっています。これも時代の流れでしょうか。
黒づくめのリーダー、デンゼルはさしずめユル・ブリンナー。ユーモアで盛り上げるクリス・プラットはマックイーンでしょうね。
ナイフ使いで惚れ惚れするほどキレのいいアクションを見せるイ・ビョンホン、一回り大きくなった体で敵に体当たりをくらわすヴィンセント・ドノフリオ(あの高い声はなんやねんw)など、各々の個性が光ります。

なんといっても
この映画の核はアクション!
縦横に馬を走らせる銃撃戦の迫力たるや!
今どきこれほどリアルなアクションで魅せてくれる映画も少ないでしょ。
デンゼル・ワシントンの馬上からの銃さばきにも感心してしまった。61歳には見えませんから。
クリスもデンゼルも銃をクルクルっとしてホルスターに収めるのがカッコいい。相当練習したんでしょうね。

最近悪役が多くなったピーター・サースガードは、本作でもジメっとした悪党ぶりがナイス。

残念に思う点は、夫を殺されたエマを除いて町の人々の存在感がやや弱いこと。
これでは新たな悪党が現れたら、住人はまた苦境に追いやられるのではと不安になる。
七人の侍』は村人に力を感じさせたところが巧かったんだと思う。
七人の侍』の「白いご飯」に相当するものを求めるのは無理かもだけど、住民との繋がりをもう少し感じられるとよかったね。

でももう一度観たいと思うほど楽しめました。
あの方が生きているのを最後の最後まで期待して待ってしまったけれど・・

日本公開は来年だそうです。


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