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映画ノート

キスミー・グッバイ

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キスミー・グッバイ(1982)

ロバート・マリガン監督、サリー・フィールド主演のファンタジー・ラブコメ
サリー・フィールド演じるケイは再婚を控えた未亡人。
新生活を始めるため、3年ぶりにかつて住んでいた家にやってきたケイはそこで夫ジョリーの幽霊に出くわす。
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この幽霊をジェームズ・カーンがダンディに演じていてタップダンスまで披露してくれます。

夫との思い出が蘇るケイに婚約者のルパートは困惑し、
死人に負けてたまるかと、神父経験のある友人に依頼しエクソシズムで霊を追い出そうとする。
霊魂=悪魔という考えは宗教的なのかは置いておいて、若くて爽やかなジェフ・ブリッジスがルパートをまじめに演じているのが可笑しい。
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劇中、幽霊のジョリーが自分の存在をルパートにわからせるため、ルパートだけが知りえる名前をケイに言わせるシーンがあるんですが、その名前が本作のオリジナルであるブラジル映画の主人公の名前だったらしい。
知ってるものだけがにやりとできる粋な演出ですね。
ただ、知らないものからすれば意味をなさないわけで、私などは唐突に感じてしまったというのが正直なところ。ちなみにオリジナルは死んだ夫は遊び人だったが、セックスだけはよかったという話のようで、ロバート・マリガンは「遊び人」の部分だけを取り上げ、純情なラブコメにしてしまった形でしょうか。

最後は、もしやジョリーがルパートに憑依したのかな?と思ったのだけど、多分それでは映画の趣旨に添わないでしょうね。ケイとルパートは愛を確認し合ったばかり。だからルパートはルパートでなければならないんだと思う。
人は新しい愛に生きることができるのだと、ちょっと元気が出る作品。


映画データ
原題:Kiss Me Goodbye
製作国:アメリ
監督:ロバート・マリガン
脚本:チャーリー・ピータース
出演:サリー・フィールドジェフ・ブリッジスジェームズ・カーン 他
オリジナル映画:『未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活』