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映画ノート

【映画】シング・ストリート 未来へのうた

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シング・ストリート(2016 アメリ
原題:Sing Street
監督/脚本:ジョン・カーニー
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ/ルーシー・ボーイントン/マリア・ドイル・ケネディエイダン・ギレン/ジャック・レイナー/ケリー・ソーントン

【あらすじ】
14歳の少年コナーは、父親が失業したために公立校に転校させられてしまう。ある日、街で見かけた少女ラフィナの大人びた魅力に心を奪われたコナーは、自分のバンドのPVに出演しないかとラフィナを誘ってしまう。慌ててバンドを結成するコナーだったが・・


ONCE ダブリンの街角で『はじまりのうた』のジョン・カーニー監督の半自伝的作品だそうです。

監督作品に一貫してるのは、逆境を乗り越え、音楽で道を開こうとする名もないシンガーたちの挑戦を描いていることですが、監督は前作『はじまりのうた』でメジャーなスターたちと仕事をしたことにモチベーションが下がってしまったようです(笑)

というか、歌もギターもだめなキーラを主役にし、しかも大物スターのドタバタに振り回されたのが相当ストレスだったようで、もう二度とスーパーモデルと仕事しないと言ってます(笑)キーラ結構よかったと思ったけど~w
ま、そういうことで、本作は無名のアクターを使い、原点回帰を図った一作ということですね。

監督が青春時代を過ごしたダブリンは不況のまっただ中にあって、登場人物の多くの家庭も問題を抱え、主人公コナーの家も父は失業し両親の喧嘩が絶えない状況。
学費削減のために公立校に転校させられ、戸惑うコナーですが、そんなときに街角でみかけた綺麗なお姉さんに思わず「音楽PVに出てみない?」と誘ったことをきっかけにコナーの生活は一変。
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快諾されたはいいが、バンドなんか存在しない
慌ててバンドメンバーを募集するさまは桃太郎ばなしみたいでユーモアたっぷり。
X監督自身、20代に3年間所属したロックバンドでPVも担当していたとのことで、映画に登場する手作りPVも楽しく、監督は音楽と同じくらいPVが好きなんだろうと思わせます。
へたっぴだった演奏が次第に音楽として聴きごたえのあるものになっていく様にはワクワクしました。
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でもこの映画がただの音楽映画になっていないのは、それぞれに何らかの問題を抱える登場人物の心のひだを盛り込んでいる点。
音楽ヲタクでPV好きの兄ブレンダンも本当は挫折し葛藤の真っただ中にありながら、それでも弟の背中を押し、ダブリンからの巣立ちを応援する。兄弟っていいな。ブレンダンを演じたジャック・レイナーは『マクベス』にも出てましたが、クリス・プラットに似てますね。
ダブリンの冬は寒そうだ
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監督が新しい形のミュージカルというだけあって、音楽もたっぷり。
80年代音楽の懐かしさもあって、心地よく観れる一本。

ゴールデングローブ賞、ミュージカル/コメディ部門で作品賞にノミネートされています。


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