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映画ノート

【映画】クリミナル 2人の記憶を持つ男

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クリミナル(2016)イギリス/アメリ
原題:Criminal
監督:アリエル・ヴロメン
脚本:ダグラス・S・クック/デヴィッド・ワイズバーグ
出演:ケヴィン・コスナーライアン・レイノルズゲイリー・オールドマントミー・リー・ジョーンズガル・ガドットマイケル・ピット
【あらすじ】
謎のハッカー“ダッチマン”の居場所を知るCIAエージェントが任務中に死亡した。世界を救う最後の希望として彼の記憶は死刑囚ジェリコに移植され・・

【感想】
ケヴィン・コスナーがすっごい犯罪者を演じてると話題の本作。”2人の記憶を持つ男”という副題にもそそられました。
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冒頭、何者かから追われる様子のビリー(ライアン・レイノルズ)が捉えられ拷問の挙句に非業の死を遂げる
彼はCIAのエージェントで、謎のハッカー「ダッチマン」の居場所を知る唯一の人物だったことが分かります。

ダッチマン(マイケル・ピット)がテロリストに利用されれば世界は大変なことになるってんで
CIAはビリーの情報に辿りつく手段として、彼の脳を他人に移植するという荒業に出るんですな。

CIA指揮官はわれらがゲイリー・オールドマン。脳外科医にトミー・リー・ジョーンズ
そして脳を移植され「2人の記憶を持つ男」になってしまうのがケヴィン・コスナーです。

これは面白かったね。



ケヴィン演じるジェリコという男、グリコみたいな名前で可愛いですが、これが折り紙付きの極悪人で
まずはケヴィンの悪童ぶりを堪能。
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彼はビリーの脳を移植させられたばかりに、CIAとテロリストの攻防に巻き込まれていくわけなんですが
面白いのはモラルもへったくれも持たない男が、移植されたビリーの脳に影響され始めるところ。

店員に悪態をついたかと思えば、そのあと謝ったりする。
そして、今謝ったのは自分じゃないからと言い訳するのがかわゆいの。

まぁね、記憶をつかさどる「脳」の移植が行動や人格に影響を与えるというのは眉唾で、ツッコミどころをあげればきりがないけども、極悪人が人の心を持ち始めるところにグッとくるのです。
しまいには犯罪者として身につけた技と、CIAエージェントのスキルの両方を駆使してテロリストに挑むというのが、一種ユーモラスでもあり、面白い。
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ビリーには愛する家族がいて、ジェリコの中のビリーの家族愛がその原動力になってるんですが・・
もしも、もしもね、ジェリコを若くてカッコいい俳優さんが演じていたとしたら、妻ジル(ガル・ガドット)との間にロマンスが生まれても受け入れるかもしれないけれど、ケヴィンではあまりも老けすぎだよね。(身も蓋もなくてスマンw)
ともあれ、ジェリコの思いの処理があいまいなのは続編への布石なのか、そこのところはちょっとモヤっとしたな。

ライアン・レイノルズの役は『セルフレス』を思いだすところ。
家族への思いを残し死んでしまったものとして、『ゴースト ニューヨークの幻』みたいなことになるのかなと思ったら、後半に出番がなくてお気の毒。

続編は『ゴーストエージェント 2人の記憶を持つ男』でお願いします。

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