【映画】アイリスへの手紙(1990)
アイリスへの手紙
Stanley & Iris
Stanley & Iris
【あらすじ】
お菓子工場に勤めるアイリス(ジェーン・フォンダ)は同じ工場の食堂で働くスタンリー(デ・ニーロ)と知り合い、互いに気になる存在となる。アイリスは間もなスタンリーが読み書きができない非識字者であることに気づくが、同時に上司の知るところとなり、スタンリーは職を失う。
お菓子工場に勤めるアイリス(ジェーン・フォンダ)は同じ工場の食堂で働くスタンリー(デ・ニーロ)と知り合い、互いに気になる存在となる。アイリスは間もなスタンリーが読み書きができない非識字者であることに気づくが、同時に上司の知るところとなり、スタンリーは職を失う。
今日もテレビ録画からこの一本
随分前にブログのお仲間のレビューで知って、
自分で観た気になっていたのだけど、初見でした(汗)
デ・ニーロ演じる非識字者のスタンリーと、
夫に先立たれ扶養家族を抱えるアイリスの大人の恋の物語ですが、
恋愛ものというよりも市井のドラマという印象で
人間関係を丁寧に描くマーティン・リットの誠実な演出がとてもいい。
恋愛ものというよりも市井のドラマという印象で
人間関係を丁寧に描くマーティン・リットの誠実な演出がとてもいい。
まず惹かれたのは、スタンリーと父親の描き方。
幼少時代、行商を営む父親について回ったスタンリーは、転校を繰り返し勉強が遅れてしまった。
いかにも移民という風情で(役者さんはロシア出身)、おそらくは殆ど英語を話さない父親は、
息子に文字を教える事はままならなかったのでしょう。
息子に申し訳ない気持ちでいただろう父親の、寡黙な佇まいがいい。
幼少時代、行商を営む父親について回ったスタンリーは、転校を繰り返し勉強が遅れてしまった。
いかにも移民という風情で(役者さんはロシア出身)、おそらくは殆ど英語を話さない父親は、
息子に文字を教える事はままならなかったのでしょう。
息子に申し訳ない気持ちでいただろう父親の、寡黙な佇まいがいい。
それでもスタンリーが父を愛していることは、父と接する彼の一挙手一投足からもうかがえて
父と息子の固い絆をも感じさせてくれます。
だからこそ、施設で父を亡くし、父の名の綴りを訊かれたとき
こたえることができないスタンリーの悲しみに胸が痛みます。
けれど、それがスタンリーに文字を学ばせるきっかけとなるのだから
人の死はいつだって無駄ではないよね。
父と息子の固い絆をも感じさせてくれます。
だからこそ、施設で父を亡くし、父の名の綴りを訊かれたとき
こたえることができないスタンリーの悲しみに胸が痛みます。
けれど、それがスタンリーに文字を学ばせるきっかけとなるのだから
人の死はいつだって無駄ではないよね。
アイリスと娘の関係もいいんですよね。
子供を妊娠した娘に、アイリスが幼い娘に初めて愛情を感じた瞬間の話をして聞かせるシーンは
思わず胸が熱くなる。
命が軽く扱われがちな昨今、こうして命の大切さを教える母の存在は大きいとしみじみ思う。
子供を妊娠した娘に、アイリスが幼い娘に初めて愛情を感じた瞬間の話をして聞かせるシーンは
思わず胸が熱くなる。
命が軽く扱われがちな昨今、こうして命の大切さを教える母の存在は大きいとしみじみ思う。
初めてのデートで、デ・ニーロがおごってくれるのが春巻きというのも絶妙でほっこり。
実は一番好きなシーンだったかも。
実は一番好きなシーンだったかも。
原題は「スタンリーとアイリス」だけど、『アイリスへの手紙』とした邦題が素敵。
文字を覚えたてのスタンリーがアイリスに送る手紙によって
季節の移り変わりがわかるのも気が利いている。
文字を覚えたてのスタンリーがアイリスに送る手紙によって
季節の移り変わりがわかるのも気が利いている。
アイリスのささやかな夢が、間もなく叶うと感じるラストが清々しかった。
映画データ
製作年:1990年
製作国:アメリカ
監督:マーティン・リット
脚本:ハリエット・フランク・ジュニア/アーヴィン・ラヴェッチ
出演:ジェーン・フォンダ
ロバート・デ・ニーロ
マーサ・プリンプトン
フェオドール・シャリアピン