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映画ノート

【映画】事件を追え(1988)



 

事件を追え
The House on Carroll Street 
 
【あらすじ】
雑誌社の職を失ったエミリーは、老婦人に本を読み聞かせるバイトに就く。
或る日、夫人の向いの家からドイツ語で言い争う声を聴いたエミリーは、その中に、自分を公聴会で追い詰めた検察官の姿を発見し・・

ピーター・イエーツ監督による日本未公開のサスペンスドラマです。
 
舞台は赤狩り旋風吹き荒れる1951年のニューヨーク。
公聴会で名前を挙げることを拒み職を失った主人公のエミリーが、バイト先の向かいの家の窓に見たのは
公聴会で屈辱的な目に遭わされた憎き検察官(マンディ・パティンキン)と、偶然道を尋ねた青年。
その青年を通訳に、数人のドイツ人と一緒にいる あの検察官は、そこでいったい何してるの?
 
好奇心を刺激されたエミリーが、やめときゃいいのに自主詮索を始めてしまい
とんでもない危険に巻き込まれるという話。
 
ケリー・マクギリス演じるヒロイン エミリーの無謀さはまるで『裏窓』のグレース・ケリー
美しいブロンドもヒッチコック映画のヒロインを思わせます。
が、パステルカラーの甘い服はマクギリスには似合わない(←余計なお世話)
 
最初は、やめとけよーくらいで観てたのだけど
一人死に、自分も命を狙われ、それでも詮索をやめないヒロインに呆れながらもハラハラ
 
ただ、冒頭の公聴会にミスリードされたのもあってか
敵の正体がつかめず、漠然とした中
自分の中の面白センサー作動までに時間がかかったのが残念
 
ジェフ・ダニエルズ演じるFBIのコクランが捜査に加わるも
なぜか彼には、「事件に関わるな」とのお達しが出てしまう。
それでもコクランは、エミリーを好きになり彼女の窮地を救い続けるんですが・・・
 
終わってみたら、無謀女とFBIのバカップルの大暴走にすぎなかったというね。
いや、物凄い大捕り物ではあったんですが
命を張っての大金星も、翌日の新聞に載ることさえないだろうと思うとやるせなくてね。
 
なぜ事件に関わるなと命じられたのか、新聞にさえ載らないと思うのか、
というのは映画を観ていただくとして・・
あ、これまたビデオしかないのだけど
ラストシーンのほろ苦い感じも好きだったし
陰謀というか、世の仕組みを考えさせらる面白い作品なので、お勧めしたいです。
 
見どころは、セントラルステーションの天井を使ってのアクション。
「堕ちる」シーンのリアリティたるや。
ジェフ・ダニエルズとマクギリスのキスシーンに流れる音楽も美しかった。
 

映画データ
製作年:1988年
製作国:アメリ
監督:ピーター・イエーツ
脚本:ウォルター・バーンスタイン
出演:ケリー・マクギリス
   ジェフ・ダニエルズ
   ジェシカ・タンディ
   マンディ・パティンキン