しまんちゅシネマ

映画ノート

エディ・レッドメイン アンダーテイカー 葬る男と4つの事件<未>(2009)

 
 
エディ・レッドメイン アンダーテイカー 葬る男と4つの事件<>
Powder Blue
 
【あらすじ】
ローズ(ジェシカ・ビール)は重病の息子の入院費を稼ぐため、ストリップクラブで働くシングル・マザー
ローズに25年の刑期を終え出所してきたばかりのジャック(レイ・リオッタ)が接近
ローズの飼い犬をわき見運転で轢いてしまう葬儀屋のクワ―ティ(エディ・レッドメイン)は、霊柩車を買いかえるお金がなく困りはて
クワ―ティの元に棺を買いにやってきた男チャーリー(フォレスト・ウィテカー)は、クワ―ティがお金に困っているのを知り、全財産と引き換えに銃で自分を撃って欲しいと懇願する
 
ロサンジェルスを舞台に、交錯する4人の物語。
『クラッシュ』スタイルの群像劇ですね。青っぽい色合いも『クラッシュ』にちょっと似てます。
 
序盤、街角に立つ人が抱えたボードに書かれていたのは「奇跡を求む」の文字
なるほど、これはクリスマスの奇跡を描くお話なのだなと、想像
その読みは全く間違いではなく、人生に窮した4人に起きる変化は、ある意味奇跡的なものもあるのだけど・・
なんか違うと思ってしまうのは、気持ちが高揚したり、胸が熱くなる類の物語に落とし込めていないから。
特にヒロインには共感できないものがあるんですよね。
ジェシカ・ビールは体当たりでストリップダンサーに挑み、ギリギリの心理状態を演じていて悪くないのだけど、息子が死にそうなときにそばにいない母親には「何やってるの?」だし、どうしてもキャラクターに魅力を感じられない。
脚本が悪いでしょ、これ。
 
それでもスタイリッシュで、時にハッとするほど美しい映像は、映画の質を上げていて、役者陣の演技もいい。
脚本が良ければ、もっと登場人物を魅力的に演じられただろうなぁ。
 
共感しやすかったのは25年の悔恨を埋めるべく奔走するレイ・リオッタかな。
謎の人物として始まるのも興味を惹かれたし、最後に唯一ホッとできた。
 
ただ、冒頭の海のシーンは何だったんでしょう。
ラストシーンとのコントラストとしてはいいのだけど、時間軸含め、あのシーンの意味を誰か教えて欲しい。
 
ちなみに邦題は意味不明の「釣り」ですね。
ストリップクラブのロン毛のオーナーを演じたパトリック・スウェイジはこれが遺作となりました。ちと気の毒。
 

映画データ
製作年:2009年
製作国:アメリ
監督/脚本:ティモシー・リン・ブイ
ドン・スウェイジ