しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】スパイ・ゲーム

台風17号が通り抜けました。皆さんいかがお過ごしですか?
私地方は大きな被害もなかったのですが、個人的には先週に予定していた旅行が航空便の欠航により中止になり
楽しみにしていた映画館行きがおジャンになるという、精神的ダメージを受けました(泣)タランティーノの『ワンス・アポン~』観たかった。。

仕方ないので、お家『ワンス~』特集でもしとこうかな

ということで、今日はブラピの『スパイ・ゲーム』再見です。


スパイ・ゲーム(2001)
Spy Game

 

【あらすじと感想】
伝説のCIAエージェント ネイサン・ミュア―退官の日、工作員ビショップがあるミッションに失敗し中国にスパイ容疑で拘束される。
ビショップを一から育て上げたミュアーはビショップ救出に動き出すが・・

 

ロバート・レッドフォードブラッド・ピット
新旧ブロンド・イケメンスター共演のスパイ映画です。

スパイものと言っても、CIA本館でビショップ情報収集の会議が進行する一方で、ミュア―の回想をフラッシュバックで描くという構成のため
『007』シリーズのようなものを期待すると当てが外れるかもしれない。
しかしながら、ベトナム、ベルリン、ベイルートを舞台にしたスパイミッションに至っては、それぞれが一つの映画になるほど濃厚で
社会派ドキュメンタリー的なエピソードの中、スパイ稼業の何たるかをしっかり見せていて驚きます。


退屈になりそうなCIAオフィス内のエピソードも、ユーモアを交えていて観やすく、緩急つけた作りはエンタメ性も十分。
スタイリッシュな映像に定評があるトニー・スコット監督って、実はこんな凄腕だったんだと感心しきりでした。

 

キャラクターの魅力をしっかり引き出しているところには監督の人情みたいなものを感じますね。
レッドフォード演じるミュア―はビショップに「冷酷であれ」と教えながらも
先手先手でビショップの身を守ってきた元祖ツンデレ
会議の場でエージェント仲間を翻弄する頭のキレっぷりと、オフィスを出ることなく世界を動かす大物感もレッドフォード兄貴なら違和感なし。

ビショップを演じるピットも実にいいんですね。
スパイとして天才的な才能をもちながら、世界を守るために小さな命を犠牲にすることに心を痛めずにいられない
ピュアでナイーブな青年を演じさせたら、この頃の彼の右に出る者はいないでしょ。
ベイルートで暗殺計画に協力することになる医者の葛藤は、スパイとして成長するビショップの葛藤の過程をあぶりだします。
おそらくはミュア―も同じ道を辿り、それでも大義のために任務を全うしてきたのでしょう。

 

ラストシーンに感動があるのはミッション成功という達成感だけでなく
ミュア―がビショップと同じ思いで小さな命に向き合うから。
ディナー作戦というキーワードとともに、2人の確執が融ける瞬間に涙が溢れるのです。

 

最高に好きな作品だけど、内容の濃さゆえか「わかり難い」という人も多いのも確か。
このくらい詰め込むと、瞬きしてる間にキーワードが流れてしまい楽しみどころを逃してしまいますからね。
一度観ただけでストーリーも伏線も楽しみどころもすべて満喫出来たなら、それはかなりの映画通でしょ。
私など二度目、三度目に気づくことも多く、映画通への道は遠いのだけど
再見するたびに面白さが増す映画に出会えるのは、この上ない幸せだと思うのです。 

 

映画データ
製作年:2001年
製作国:アメリ
監督:トニー・スコット
脚本:マイケル・フロスト・ベックナー/デヴィッド・アラタ
出演:ロバート・レッドフォード
    ブラッド・ピット
    キャサリン・マコーマック
    スティーヴン・ディレイン
    ラリー・ブリッグマン
    マリアンヌ・ジャン=バプティスト
    シャーロット・ランプリング